スイス旅行で最初に迷うのが、交通パス、結局どれ?という問題です。

結論を言うと、値段だけならハーフフェアカード(+セーバーデイパス+スーパーセイバー)が安くなる場合が多いです。

我が家は2026年6月、チューリッヒからジュネーブまで横断する形で6泊7日。移動は多めのプランでした。

「スイスはトラベルパスが定番」とよく見かけますが、自分のルートで計算したら、うちは当てはまりませんでした。

トラベルパスでも山は“無料”じゃない

スイストラベルパスで完全に無料になる山は、リギ・シュタンザーホルン・シュトースの3つだけ。

ユングフラウヨッホもゴルナーグラートも、パスがあっても「割引」であって「無料」ではありません

つまり「パス1枚で全部タダ」ではなく、高い山に行くたびに追加料金がかかります。

値段の損益分岐:いつトラベルパスがお得?

数字で見ます(2026年・2等)。

  • スイストラベルパス6日=CHF399
  • ハーフフェアカード(1ヶ月)=CHF150

差は約249。ハーフフェアは「乗るたびに半額」、トラベルパスは「対象の列車・バス・船・市内交通が乗り放題」。

なのでトラベルパスがお得なのは、6日間でその差額249ぶん以上を乗り倒すときです。

逆に「移動はあるけど1日1〜2本+観光」くらいなら、ハーフフェア(+重い日だけセーバーデイパス(ハーフフェア保有で最安CHF29)+取れたらスーパーセイバー)の方が安く収まります。

セーバーデイパス(Saver Day Pass)=移動の多い日の“1日乗り放題”

  • その日1日、対象の列車・バス・船が乗り放題。早く買うほど安く、ハーフフェア保有なら最安CHF29
  • ただし前日までに購入(当日は買えません)。在庫制で、直前ほど高くなります
  • 私は移動の多かったDay4(ミューレン→ツェルマット)に使い、区間ごとに買うより安く済みました(2人で88=1人44)

スーパーセイバー切符(Supersaver)=区間切符。安いけど限定

  • 最大50%超の割引で、早く買うほど・空いてる便ほど安い
  • 代わりに買った“その列車”しか乗れません。途中下車も不可、変更・払い戻しも原則なし

通常(定価)の切符=自由

  • その日の0:00〜翌朝5:00まで有効
  • ルート上ならどの列車でもOK。途中下車もできます(引き返しだけNG)
  • 「乗り遅れても次でいい」という安心感があります

※名前は似ていますが、スーパーセイバー切符=「その列車だけ」の割引切符/セーバーデイパス=「1日まるごと」の乗り放題で、別物です。混同しないように。

私はリヴァ(ラヴォー)行きを出発3時間前に買いました。直前だったので割引はわずかでしたが、それでもスーパーセイバーで、ハーフフェア(40)より少し安い36.4で買えました。

また、チューリッヒ→ルツェルン、ルツェルン→インターラーケンは数ヶ月前に購入していたので、通常より大きく下がりました(ルツェルン→インターラーケンは34→12)。スーパーセイバーは早いほど安く、安いぶん「その電車限定」の縛りがあります。

我が家の実例(移動多めでもハーフフェアが安かった)

ルートはざっくり「チューリッヒ空港→ルツェルン→グリンデルワルト→ミューレン→ツェルマット→ラヴォー→ジュネーブ」。ユングフラウ地方やツェルマットでは山岳鉄道やロープウェーにも乗っています。

全行程をこう払うと(1人・概算) CHF
割引なしの定価 約708
トラベルパス6日(Day1-6適用・Day7は別払い) 約613
トラベルパス4日(Day2-5適用・Day1/6/7は別払い) 約595
ハーフフェアのみ(全区間を半額で買う) 約504
実際に私が払った額(ハーフフェア+一部セーバーデイパス+一部スーパーセイバー) 約497

移動多めでもこうなったのは、山岳分はどちらも同じ50%引きで相殺され、都市間移動を半額+セーバーで圧縮できたからです。

(※トラベルパスの料金は改定されます。購入時点のSBB価格で計算し直してください。)

実費一覧:通常・ハーフフェア・トラベルパス・実費を区間ごとに比較(1人・CHF)

実際に動いた区間ごとに、「通常運賃」「ハーフフェアの半額」「トラベルパス6日券(Day1-6)」「トラベルパス4日券(Day2-5)」「私が実際に払った額」を並べました。

区間 通常 ハーフフェア トラベルパス6日 トラベルパス4日 実費
〔Day1〕チューリッヒ空港→市内 6.8 3.4 0 6.8 3.4
チューリッヒ市内→ルツェルン 27.0 13.5 0 27.0 8.1(スーパーセイバー)
〔Day2〕ルツェルン→インターラーケン 34.0 17.0 0 0 12.0(スーパーセイバー)
インターラーケン→グリンデルワルト 11.8 5.9 0 0 5.9
フィルスト(下りは中腹ボルトまで/残りトロッティ・全てHF) 約120 60 60 60 60(2人120※)
〔Day3〕グリンデルワルト→メンリッヒェン(片道) 17.0 8.5 8.5 8.5 17.0(割引忘れ=定価)
クライネシャイデック→グリンデルワルト(WAB) 40.6 20.3 20.3 20.3 20.3
グリンデルワルト→ラウターブルンネン 9.4 4.7 0 0 4.7
ラウターブルンネン(Ey)→シュテッヘルベルク(バス) 3.8 1.9 0 0 3.8(割引忘れ=定価)
シュテッヘルベルク→ミューレン(ゴンドラ) 11.8 5.9 5.9 5.9 5.9
〔Day4〕ミューレン→アルメントフーベル(片道) 14.0 7.0 7.0 7.0 7.0
ミューレン→シュテッヘルベルク(片道リフト) 11.8 5.9 5.9 5.9 5.9
ラウターブルンネン→インターラーケン 7.8 3.9 0 0 ↓セーバー
インターラーケン→ツェルマット 86.0 43.0 0 0 ↓セーバー
└ 上記2区間をセーバーデイパスで(1日分) 44
スネガ往復 30.0 15.0 15.0 15.0 15.0
〔Day5〕ゴルナーグラート往復 132.0 66.0 66.0 66.0 66.0
ツェルマット→リヴァ 80.0 40.0 0 0 36.4(スーパーセイバー)
〔Day6〕リヴァ⇄キュリー周辺 9.6 4.8 0 9.6 4.8
サンサフォラン→ジュネーブ 29.0 14.5 0 29.0 14.5
〔Day7〕イヴォワール→ニヨン(船・CGN) 16.0 8.0 16.0 16.0 8.0
ニヨン→ジュネーブ(鉄道) 9.4 4.7 9.4 9.4 4.7
ジュネーブ市内・空港(ホテルの無料パスで全パターン0) 0 0 0 0 0
合計(1人・概算) 約708 約504(カード150込) 約613(本体399込) 約595(本体309込) 約497(カード150込)

※フィルストは上り(→First)/下りは中腹のボルトまで/残りはトロッティバイクで、すべてハーフフェア(詳しい内訳はフィルストの記事に)。

トラベルパス欄の読み方:パスを持っていれば、列車・バス・CGNの船・市内交通は0(乗り放題で無料)。でも山岳(ゴルナーグラートやフィルスト等)は結局50%引き=ハーフフェアと同じです。これにパス本体を足したのが総額。

※我が家のルートの山は、たまたま全部トラベルパス50%引きでした。ただしユングフラウヨッホはトラベルパス25%引き(ハーフフェアは50%)のように、山によって割引率が違うものもあります。逆にリギ・シュタンザーホルン・シュトースはトラベルパスなら無料。詳しくは割引率早見表の記事に。

→ つまり「列車がタダになる分で、パス本体を取り返せるほど乗るか」が分かれ目。我が家の全行程では 実費 約497 < ハーフフェア 約504 < トラベルパス4日 約595 < トラベルパス6日 約613 < 定価 約708

トラベルパスは6日券よりも、移動の濃いDay2-5に絞った4日券の方がこの旅程では少し安いのですが、それでもハーフフェアより約90CHF高くつきました。

※ちなみに、バスとメンリッヒェンでハーフフェアの適用を忘れていなければ、実費は約487(あと約10CHF安く)で済んでいました。都度買いは「毎回ハーフフェアの確認」が必須です。

Day3〜4のミューレンは、BLM鉄道(直通)が運休していたため、バス+ゴンドラで迂回しています。

Day4の大移動(ラウターブルンネン→インターラーケン→ツェルマット)は、区間ごとに買わずセーバーデイパス(2人で88=1人44)でまとめた方が安く済みました。

ジュネーブ市内・空港は、ホテルでもらえる無料の交通パス(Geneva Transport Card)でゼロでした。

ハーフフェアで“都度買い”した実際(切符の種類を使い分ける)

実際にやってみると、都度買うのは少し面倒でした。

さらに、予定外のスポットが増えるほど、ハーフフェアは1回ごとの支払いが積み上がる。当日あれこれ新しく予定を詰め込むなら、乗り放題のトラベルパスの方が逆に得になることもあります

そして落とし穴も。急いでバスの券売機で買ったら、ハーフフェアの割引を選び忘れて定価で買ってしまったことがありました。

都度買いは「買うたびにハーフフェア適用を確認」が必須です。

トラベルパスを選ぶ理由

値段が少し高くなっても、トラベルパスを選ぶ理由があります。

  • ① 1枚で完結=とにかくラク。乗るたびに個別購入しなくていい。改札も気にしない。チケット管理のストレスがほぼゼロ。
  • ② 500以上の美術館が無料(Swiss Museum Pass付き)。ハーフフェアに美術館特典はありません。美術館をいくつも回るならパスが効きます。
  • ③ セーバーデイパスは事前予約・在庫制。直前に購入するほど金額は上がります。

選択は「値段を取るか、ラクさ+美術館を取るか」。我が家は値段を取ってハーフフェアにしました。

パノラマ・氷河特急は座席予約料も必要

氷河特急(Glacier Express)やベルニナ急行などは、座席予約料がパスの有無に関係なく必要です(氷河特急は2026年でCHF54)。

  • トラベルパス:基本運賃は無料+予約料は別払い
  • ハーフフェア:基本運賃は半額+予約料は別払い

ガチのパノラマ列車を使う場合は、どちらのパスでも予約料を上乗せして考える必要があります。

特定エリアに籠るなら“地域パス”も

特定のエリアに何日も滞在するなら、地域パスも選択肢です。ユングフラウ地方ならユングフラウ・トラベルパス、ツェルマット周辺ならツェルマット・ピークパス(Peak Pass)があります。

その地域の山岳鉄道・ゴンドラがまとめてカバーされ、対象エリアを動き回るなら割安に(いずれも美術館は付きません)。各パスの料金は割引率早見表の記事にまとめます。

運休・工事情報は出発前に必ず確認(2026〜)

スイスの山岳路線は、数年おきに改修で運休します。2026年に分かっている主なものだけでも:

  • BLM(ラウターブルンネン↔ミューレン直通):2026/4/13〜7/10 ※私たちもここで迂回しました
  • アイガー・エクスプレス:2026/4/20〜24、11/9〜20
  • ヴェンゲン↔クライネシャイデック:2026/11/9〜12/4/グリンデルワルト↔クライネシャイデック:2026/10/26〜11/6
  • ティトリス・ロタール:2026/8/17〜12/11/ゼンティス:2026年秋まで改修
  • シルトホルンは2026年春に新ゴンドラが全線開通(むしろ便利に)

日程は変わるので、出発前に各鉄道の公式「Operating info」で必ず確認してください。

結論:あなたはどっち?

  • 値段重視・計画的に数回移動 → ハーフフェア+セーバーデイパス+スーパーセイバー
  • 毎日がっつり移動・美術館をたくさん・1枚で完結のラクさ重視 → トラベルパス
  • ユングフラウ地方/ツェルマット周辺に集中するなら → 地域パス(ユングフラウ・トラベルパス/ツェルマット・ピークパス)も比較

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さちこ
こんにちは、さちこです。 北海道出身のアラサー主婦です。 2025年12月より、夫の海外赴任に帯同しオランダで暮らしています。 このブログ「運河のある暮らし」では、オランダでの暮らしや制度・文化、観光情報、ヨーロッパ旅行について、実体験をもとに情報をまとめています。 現地での生活や移動、手続きなど、これから訪れる方や暮らす方の参考になれば嬉しいです。 どうぞ、よろしくお願いします!

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