スイスの交通パスや鉄道の種類は本当にたくさんあります。

さらに山に登る路線(ロープウェー・ゴンドラ・登山鉄道)は、パスごとに「無料/割引/対象外」がバラバラ。

今回、これらを1記事にまとめてみました。

パスの選び方そのものは、スイストラベルパスとハーフフェアカードの比較記事にまとめています。

スイスの交通パス9種類を一覧で比較(料金つき)

まず、よく候補に挙がる9種類を1枚に整理します(2026・2等・大人)。

パス仕組み・本体価格山での割引率
スイストラベルパス連続日の乗り放題。3/4/6/8/15日=CHF254/309/399/439/499一部の山は無料、ほかは割引
スイストラベルパス Flex上の非連続版(好きな日を選べる)。各日数で約+CHF35割引率は普通のトラベルパスと同じ
ハーフフェアカード乗るたび半額になるカード。CHF150(1ヶ月)ほとんどの山が半額
セーバーデイパス(ハーフフェアあり)早割の1日乗り放題。最安CHF29山を登る区間も半額
セーバーデイパス(ハーフフェアなし)同上。最安CHF52山を登る区間は割引なし(定価)
スーパーセイバー切符
※パスではなく区間切符
区間ごとの早割切符(最大〜70%)。その列車だけ都市と都市をむすぶ列車向け(山は対象外)
ユングフラウ・トラベルパスユングフラウ地方の地域パス。3日210〜8日330地方内はほぼ無料+頂上区間だけ有料
ツェルマット・ピークパスツェルマットの山乗り放題。夏1日234〜7日4163つの展望台すべて乗り放題
ルツェルン・トラベルパス(旧テル・パス)中部スイスの地域パス。3日240〜10日365主要5山が無料

パスで山はどれくらい割引になる?

「山を登る区間」(ロープウェー・ゴンドラ・登山鉄道・ケーブルカー)の割引をまとめると、以下のとおり。

  • スイストラベルパス:山ごとに「無料」か「割引(25〜50%)」。Flex版も割引率は同じ(値段が少し高いだけ)。
  • ハーフフェアカード:ほとんどの山が半額
  • セーバーデイパスとスーパーセイバー切符は、山ではほぼ効きません
  • セーバーデイパス=ふもとまでの電車・バス・船は1日乗り放題。でも山を登る区間は、ハーフフェアカードも持っていれば半額/持っていなければ定価です。
  • スーパーセイバー=安くなるのは「都市どうしをむすぶ普通の列車」だけ。山を登る区間には使えません。

なので下の地方別の表は、「定価・トラベルパス・ハーフフェア・地域パス」の4つにしぼりました(セーバーデイパスとスーパーセイバーは、上の決まりで分かるので省略しています)。
価格はすべて2026年・2等・大人・夏の往復(CHF)です。

※ 私たちが実際に乗っていないスポット(マッターホルングレイシャーパラダイス、ロートホルン、ティトリス、グレイシャー3000、⑤その他の地方など)の料金は、各鉄道の公式サイトを参照しています(リンクは記事末尾に)。

スイスの乗り物の種類(登山鉄道・ロープウェー・ゴンドラの違い)

スイスの一般列車(SBB)。都市間の移動はこうした列車で

割引の効き方は乗り物の種類でも変わります。スイスは種類が多いので、先に整理します。

種類どんな乗り物代表例
一般列車(鉄道)SBB等の普通の列車(IC/IR/RE/Sバーン)。これが基本ネットワーク都市間ぜんぶ。トラベルパス乗り放題/ハーフフェア半額
登山鉄道(ラック式)歯車レールで急坂を登る登山電車ゴルナーグラート、ユングフラウ鉄道、ピラトゥス(世界最急48%)、シーニゲ・プラッテ、リギ、ブリエンツ・ロートホルン(蒸気)
ケーブルカー(フニクラー/鋼索鉄道)2両がワイヤーで吊り合いレールを昇降。日本語の「ケーブルカー」はこれハルダー・クルム、シュトース(世界最急110%)、スネガ(Sunnegga Express)、シュタンザーホルン下部
ロープウェー(空中ケーブルカー)空中ワイヤーに大型キャビンを吊る往復式シルトホルン、マッターホルングレイシャーパラダイス、ティトリス(回転Rotair)、シュタンザーホルンCabriO(屋根なし)、グレイシャー3000
ゴンドラ(循環式)小型キャビンがロープを循環グリンデルワルト–メンリッヒェン、フィルスト、アイガー・エクスプレス(3線式)
チェアリフト開放椅子のリフトフィルスト上部、フロンアルプシュトック
パノラマ列車大窓の景観列車(”パス”ではなく路線名)。運賃はトラベルパス無料/ハーフフェア半額だが座席予約料は別氷河特急、ベルニナ急行、ゴールデンパス(後述)
船・ポストバス湖の遊覧船と郵便バストラベルパス乗り放題/ハーフフェア半額

日本語との用語ズレに注意:日本では「ケーブルカー=フニクラー(鋼索鉄道)」「ロープウェイ=空中式」ですが、英語/独語では funicular と (aerial) cable car を区別します。スイスの公式サイトを読むときはこの違いに気をつけてください。

シルトホルンに向かうロープウェーからの眺め。スイスは乗り物の種類が多い

① ユングフラウ地方の割引(ユングフラウヨッホ・シルトホルン・フィルスト)

行き先(往復・夏)定価トラベルパスハーフフェアユングフラウTP
ユングフラウヨッホ ★261.20177.20半額 131頂上区間のみ89
シルトホルン(ピッツグロリア)11545.70半額 57.50対象外※
グリンデルワルト・フィルスト76半額 38半額 38無料
メンリッヒェン(片道は17)34半額 17半額 17無料
シーニゲ・プラッテ68半額 34半額 34無料
ハルダー・クルム40半額 20半額 20無料

★ インターラーケンOst発・5-10月の往復。グリンデルワルト/ヴェンゲン発は定価CHF239.20(ハーフフェア≈120。トラベルパスはふもとが無料なので発駅を問わず約177)。5/1〜10/31は座席予約必須+CHF10
(同じ山でもトラベルパスとハーフフェアで安い方が変わります:ユングフラウヨッホはハーフフェアの方が安く(131<177)、逆にシルトホルンはミューレンまで無料の分トラベルパスの方が安い(45.70<57.50)。)
※ シルトホルンはユングフラウ鉄道とは別会社で、ユングフラウ・トラベルパスの対象外(割引はトラベルパス/ハーフフェアで)。

この地方の地域パスは2種類あり、シルトホルンを使うかで選びが変わります。

ユングフラウ・トラベルパス:3日CHF210/4日235/5日270/6日290/8日330。
メンリッヒェン・シーニゲプラッテ・フィルスト・ハルダー・WAB(登山鉄道)・トゥーン/ブリエンツ湖船が無料、ユングフラウヨッホは頂上区間(Eigergletscher↔頂上)のみCHF89(5-10月)。シルトホルンは対象外。美術館特典なし。

ベルナーオーバーラント・パス:3日CHF240/10日435(2026・通年)。範囲が広く、シルトホルン(シュテッヘルベルク→ピッツグロリア)を丸ごと無料カバーするのが最大の違い。ブリエンツ・ロートホルン蒸気鉄道・シーニゲプラッテ・メンリッヒェンも無料、ユングフラウヨッホ/フィルスト/ハルダーは割引。ルツェルン–インターラーケン・エクスプレスやゴールデンパスも無料。ハーフフェアカードと併用可。
シルトホルンに行くならベルナーオーバーラント・パス、行かないならユングフラウ・トラベルパスが目安。

ユングフラウ地方・ラウターブルンネンの谷。ミューレン行きのロープウェー

② ツェルマットの割引(ゴルナーグラート・マッターホルン)

ゴルナーグラート鉄道(ツェルマット)。マッターホルンの展望台へ向かう登山電車
行き先(往復・夏)定価トラベルパスハーフフェアピークパス
ゴルナーグラート132半額 66半額 66無料
マッターホルングレイシャーパラダイス132半額 66半額 66無料
スネガ(往復)33半額 16.50半額 16.50無料
ロートホルン(往復)89半額 44.50半額 44.50無料

※ MGP(マッターホルングレイシャーパラダイス=クライネマッターホルン)往復132・スネガ往復33・ロートホルン往復89(盛夏。6月など端境期はやや安く、私たちはスネガを30で乗りました)。割引はトラベルパス・ハーフフェアとも50%。さらにイタリア側のテスタ・グリージャまで行くと往復207です。

ツェルマット・ピークパス(山岳乗り放題・夏・大人):1日CHF234/2日260/3日294/4日326/5日360/6日390/7日416。
ゴルナーグラート+MGP+スネガ-ロートホルン+氷河宮殿+ローカルバス+テッシュ⇄ツェルマット鉄道を含む。ハーフフェア/トラベルパスを持っていれば25%引き(表示価格の75%)。

ゴルナーグラートの車内から。窓が大きく景色がよく見える

③ 中部スイス・ルツェルンの割引(ピラトゥス・リギ・ティトリス)

行き先(往復・夏)定価トラベルパスハーフフェアルツェルンTP
ピラトゥス(ゴールデンRT)119.80半額 59.90半額 59.90無料
リギ(クルム往復)84無料半額 42無料
ティトリス102半額 51半額 51無料
シュタンザーホルン(CabriO)82無料半額 41無料
シュトース(フニクラ往復)23.30無料半額 11.60無料

※ リギ・シュタンザーホルン・シュトースは、トラベルパスならまるごと無料(ハーフフェアは半額)。中部スイスでトラベルパスが効くポイントです。
※ ピラトゥスのゴールデンRTは船・バスも含む周遊券。トラベルパス・ハーフフェアとも半額(59.90)です。

ルツェルン・トラベルパス(旧テル・パス/2026年4月1日に改称・通年単価・2日券廃止):3日CHF240/4日265/5日290/10日365。
ピラトゥス・リギ・ティトリス・シュタンザーホルン・シュトースと湖船・市内交通が無料。

④ グレイシャー3000の割引(レマン湖周辺)

行き先(往復・夏)定価トラベルパスハーフフェア地域パス
グレイシャー3000(コル・デュ・ピヨン)89半額 45半額 45ルツェルン圏外

ラヴォー〜ジュネーブ方面のフィナーレに足すなら、グレイシャー3000(ピークウォーク)はトラベルパス/ハーフフェアで半額になります。

⑤ その他の地方の割引(グラウビュンデン・アレッチ・ティチーノ)

行き先(地方)定価(往復・夏)トラベルパスハーフフェア地域パス・メモ
レーティッシュ鉄道・基本網(グラウビュンデン/東スイス)区間による無料半額サンモリッツ等の私鉄
ベルニナ急行(クール/サンモリッツ→ティラーノ・伊)運賃+予約運賃無料+予約運賃半額+予約パノラマ列車(⑥参照)
ディアヴォレッツァ(ロープウェー・2978m)46対象外半額 23ふもとまで鉄道は無料/公共交通利用で20%引きの提携あり
アレッチ/エッギスホルン(ヴァレー)約52〜6825%引きだけ半額Aletsch Explorer Pass CHF55(パスで27.50)。正確な定価は公式PDF
モンテ・ジェネローゾ(ティチーノ/南スイス)72(夏)半額 36半額 36Ticino Ticket(宿泊者は無料の地域パス)で30%off

ポイントは、トラベルパスでも一律で半額になるわけではないこと。グラウビュンデンの私鉄(レーティッシュ鉄道)は基本網が丸ごと無料、逆にアレッチはトラベルパスだと25%だけ、ディアヴォレッツァに至ってはトラベルパス対象外。地方ごとに条件が違います。

地方の地域パスも各地にあります:グラウビュンデン・パス(東スイス)、Ticino Ticket(ティチーノ・宿泊者無料)など。滞在エリアが偏るなら、その地方パスの方が安いことがあります。

⑥ パノラマ列車の経路と料金(氷河特急・ベルニナ急行・ゴールデンパス)

「氷河特急」「ゴールデンパスライン」などは特別なパスではなく”路線・列車の名前”です。運賃はトラベルパスなら無料・ハーフフェアなら半額ですが、座席予約料が別にかかります(パスの有無に関係なく必要)。下の表の「運賃」も、トラベルパス=無料/ハーフフェア=半額の意味です。

列車・路線名経路運賃座席予約料(2026)
氷河特急(Glacier Express)ツェルマット⇄サンモリッツ(約8時間)無料/半額必須 CHF54(夏)
ベルニナ急行(Bernina Express)クール/サンモリッツ⇄ティラーノ(伊・UNESCO)無料/半額必須 夏44/冬40
ゴールデンパスライン(GoldenPass Line)ルツェルン⇄インターラーケン⇄モントルー(約5.5時間)無料/半額任意(GPエクスプレス20/パノラミック9)
┗ ルツェルン–インターラーケン・エクスプレスルツェルン⇄インターラーケン(ブリューニク峠)無料/半額任意 高16/低12
ゴッタルド・パノラマ・エクスプレスルツェルン(船)⇄フリューレン⇄ルガーノ無料/半額必須(季節運行)
ゴルナーグラート鉄道(Gornergrat Bahn)ツェルマット⇄ゴルナーグラート(登山鉄道)②の表参照(半額)不要

私たちが乗ったルツェルン→インターラーケンも、このゴールデンパスラインの一部(ルツェルン–インターラーケン・エクスプレス)です。座席予約は任意なので、私たちはしませんでした。乗ったのが早朝だったこともあり、車内は空いていて、予約なしでまったく問題なかったです。

車窓から見るスイスの景色・ルツェルンーインターラーケン間
ルツェルン–インターラーケン間

スイスのパス割引で注意したいこと

  • トラベルパスでまるごと無料になる山は、ごく一部:リギ・シュタンザーホルン・シュトース(ほかクレヴェナルプ・ブルンニ)。ユングフラウヨッホもゴルナーグラートも「割引」で、無料ではありません
  • 氷河特急などパノラマ列車の座席予約は、どのパスでも別料金(氷河特急は2026夏でCHF54)。
  • スーパーセイバー切符は「都市と都市をむすぶ普通の列車」を安くするもの(例:ルツェルン→インターラーケン)。ハーフフェアと合わせるとさらに下がりますが、その列車だけ・途中下車不可・払い戻し不可です。

実際に乗った路線と、正直な感想

ここまで料金の早見表でしたが、最後に「乗ってどうだったか」も正直に。
私たちが2026年6月に実際に乗ったのは、種類ごとに分けるとこんな感じでした。

種類実際に乗った路線
登山鉄道ゴルナーグラート、WAB(クライネシャイデック→グリンデルワルト)
ロープウェーシルトホルン
ゴンドラグリンデルワルト–メンリッヒェン、フィルスト、シュテッヘルベルク–ミューレン
ケーブルカー(フニクラー)スネガ、アルメントフーベル
パノラマ列車ルツェルン–インターラーケン・エクスプレス
一般列車チューリッヒ〜ルツェルン〜インターラーケン〜ツェルマット〜ラヴォー〜ジュネーブ
船(CGN)ジュネーブ〜イヴォワール〜ニヨン
ケーブルカー(フニクラー)の車内。

感想は、こんなところです。

  • ロープウェーとゴンドラ:正直、乗っている感覚の違いはあまり分かりませんでした。ただ、景色はどちらも、どの路線も良かったです。冬はスキーで利用されることもあり、内部は広々としていて、キャリーバックを持ち込んでも大丈夫な広さです。
  • 登山鉄道:こちらも、乗ったものはどれも良かったです。
  • ルツェルン–インターラーケン・エクスプレス:景色のいい人気路線で、これも良かったです。ただ私たちは、登山鉄道のほうが「山に入っていく臨場感」があって、より印象に残りました。

数字で選ぶ前の、ざっくりした実感として参考になれば。

料金の確認に使った各社の公式サイト

価格は2026年時点で、改定されることがあります。予約前に各社の公式サイトで最新の料金を確認してください(記載はいずれも2026年6月時点)。

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さちこ
こんにちは、さちこです。 北海道出身のアラサー主婦です。 2025年12月より、夫の海外赴任に帯同しオランダで暮らしています。 このブログ「運河のある暮らし」では、オランダでの暮らしや制度・文化、観光情報、ヨーロッパ旅行について、実体験をもとに情報をまとめています。 現地での生活や移動、手続きなど、これから訪れる方や暮らす方の参考になれば嬉しいです。 どうぞ、よろしくお願いします!

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