「ヨーロッパで鉄道に乗ろうとすると、TGV・ユーロスター・Ouigo・TER・RER・メトロ・トラム・バス・Transilien……運営会社も種類も多すぎてどれを使えばいいか分からない」。

これは私たちがフランス旅行を計画したときに直面した悩みでした。

運営会社の管轄ごとに、料金・予約サイト・チケット形式が分かれています。

そこを整理しておくと、迷う場面は減りました。この記事では国際線・国内線・パリ市内交通の3階層に分けて、誰が運営していて何に使うかをまとめます。

この記事で分かること

  • 国際・国内・市内の3階層での交通機関の整理
  • 主要な運営会社(SNCF・RATP・IDFM・Eurostar・Keolis)の違い
  • TGV・Ouigo・ユーロスターの使い分け
  • パリ市内のメトロ・RER・バス・トラムの違いとNavigo
  • 予約サイトの選び方(最安傾向・画面の言語などの観点)

全体像|3階層で整理する

ヨーロッパ(特にフランス)の鉄道・公共交通は、距離スケールで整理すると見通しが立てやすかったです。

階層用途主な運営
国際線国境を越える長距離Eurostar、TGV Lyria、ICE
国内線フランス国内の都市間SNCF(TGV Inoui、Ouigo、Intercités、TER)
都市内交通パリ市内および近郊RATP(メトロ、バス、トラム)、SNCF(RER、Transilien)、IDFM(統括)

国際線|Eurostarが主要ブランド

ブランド区間例備考
Eurostar(旧Thalys)パリ⇔アムス/ロンドン/ブリュッセル/ケルン2023年10月にThalysと統合、現在は単一ブランド
TGV Lyriaパリ⇔ジュネーブ/チューリッヒ仏SNCF+スイス国鉄の共同運行
ICEパリ⇔フランクフルトドイツ国鉄DBの高速列車

「ユーロスター=ロンドン⇔パリ」というイメージを持っていましたが、Thalysとの統合以降はアムステルダムやベルギー方面もすべてEurostarブランドになっています(公式)。

私たちはアムステルダム⇔パリ間を往復で利用しました。予約のタイミングや実費、スキポール空港駅での乗降については、別記事「アムステルダム→パリ ユーロスター完全ガイド」にまとめています。

国内線|SNCFが運営

フランス国内の鉄道は、ほぼすべてSNCF(フランス国鉄)の管轄です。商品ブランドが分かれています。

ブランド用途価格感
TGV Inoui主要都市間の高速列車(旗艦)中〜高(€50〜200)
Ouigo Grande VitesseTGVの格安版(設備簡素)低(€10〜80)
Intercités中距離都市間(高速線でない)
TER地域内の各駅停車・特急低(€5〜30)

TGV Inoui と Ouigo の違い

私たちは2026年4月に両方乗りました。

Ouigoはコンセントなし・車内サービス最小限で、Inouiより2〜3割安でした。Inouiはコンセントあり・軽食販売ありで、標準的なTGVの座席でした。

長時間移動でPC作業をしたいときはInoui、料金を抑えたいときはOuigo、という分け方ができます。

実際の乗車レポは、区間ごとの専用記事にまとめています。

予約サイト

サイト特徴
SNCF Connect公式・最安傾向・画面が英語で見づらい
Omio画面が日本語で分かりやすい・手数料分やや高

パリ市内交通|RATP・SNCF・IDFMの3社管轄

ここは運営が3社に分かれていて、私たちは整理に少し時間がかかりました。

種別運営用途
メトロ(地下鉄)RATPパリ市街地メイン
バスRATPパリ市内・近郊
トラム(T1〜T13)RATP主に郊外
RER(A〜E線)SNCF(一部RATP共同)郊外を含む高速郊外鉄道
TransilienSNCF郊外通勤鉄道
統括(料金体系)Île-de-France Mobilités(IDFM)チケット規格を統一

IDFMが料金体系を一本化している|チケットは2系統

運営は3社に分かれていますが、チケットの料金体系はIDFMが一本化しています。

かつてのゾーン制運賃は廃止され、2026年時点ではイル・ド・フランス全域の単一運賃になっています。観光で使う範囲では、次の2系統を押さえておくと足ります。

チケット種類使える範囲料金(2026年)
Ticket Métro-Train-RERメトロ・RER・Transilien(イル・ド・フランス全域)€2.55
Ticket Bus-Tramバス・トラム€2.05

メトロとRERは同じチケットで乗れます。バス・トラムだけ別系統です。

ただし空港駅(CDG・Orlyなど)は単一運賃の例外で、別の空港用運賃が必要でした。ここを取り違えやすかったです。

なお、紙の切符は廃止が進んでいて、Navigo Easyカード(€2)かスマホへの追加が基本になっています。

Navigo Easy をApple Walletに追加する

iPhoneでは、専用アプリを入れなくてもApple WalletからNavigo Easyを追加し、Apple Pay(日本のクレカ対応)で切符を都度購入できました。

追加の手順・チャージの要否・改札での使い方は、別記事「Navigo Apple Wallet 追加・使い方・チャージ・料金」にまとめています。

地方の路線バス・長距離バス

地方の観光地行きの路線バスは、地元の交通会社が個別に運営しています(Keolis Armor=モンサン⇔レンヌ/サン=マロ、Nomad Car=ノルマンディー、Manéo=マンシュ県等)。

これらはユーレイル等の鉄道パスの対象外で、別途予約が必要でした。

パリ以外の都市の市内交通も、各都市の交通局がそれぞれ運営しています。ニースの空港バス・トラムの実例は南フランス・ニース&エズ村のアクセスガイドにまとめています。

長距離バスはFlixBus・BlaBlaCar Busなどが鉄道の格安代替として知られています。鉄道より2〜3倍時間がかかる一方、料金は半額以下になる区間もあります。時間より費用を優先したい人向けの選択肢です。

鉄道パスは必要?|ユーレイル・フランス周遊パスとは

「ユーレイルパス」や「フランス周遊パス」は、対象エリアの鉄道を決まった日数だけ乗り放題にできる鉄道パスの総称です。

ヨーロッパ約33カ国をカバーするグローバルパスと、1カ国だけを対象にしたパス(フランスだけの「フランス周遊パス」など)があります。

ユーレイルとインターレイル|住んでいる場所で変わる

紛らわしいのですが、ほぼ同じしくみのパスに「ユーレイル(Eurail)」と「インターレイル(Interrail)」の2つの名前があります。

違いは国籍ではなく、住んでいる場所で決まります。

パス名対象(住んでいる場所)
ユーレイル(Eurail)ヨーロッパの外に住んでいる人(日本在住の旅行者はこちら)
インターレイル(Interrail)ヨーロッパに住んでいる人(オランダ駐在中などはこちら)

日本から旅行で行く場合はユーレイル、私たちのように駐在でヨーロッパに住んでいる場合はインターレイル、という分かれ方です。決め手はパスポートの国籍ではなく「今どこに住んでいるか」でした(Eurail公式)。

どちらも、乗車時には居住地を示す公式書類(パスポートや滞在許可証など)の携帯が必要です。

元が取れる目安

パスが得になるのは、「2週間以上・5カ国以上・移動10本以上」あたりが目安です。

4〜7日・1〜2カ国・移動5本以下なら、早期のバラ買いのほうが安くなりやすいです。

また、TGVなどの高速列車はパスを持っていても座席予約が別途必要で、予約料(フランス国内のTGVで€10〜20ほど)がかかります。パス用の予約枠は数が限られ、早めに埋まりやすい点も注意でした。

まとめ|階層で整理する

用途何を使う?
国境越えEurostar(旧Thalys含む)
仏国内都市間(高速)TGV Inoui(標準)/Ouigo(格安)
仏国内地域内TER/Intercités
パリと近郊(メトロ・RER)Ticket Métro-Train-RER(単一運賃・全域)
パリのバス・トラムTicket Bus-Tram
パリ↔空港空港用の別運賃(単一運賃の例外)
仏地方バスKeolis Armor等(鉄道パス対象外)
パリ市内チケットの買い方iPhone:Apple Wallet直接(Navigo Easy)
鉄道予約SNCF Connect公式(最安傾向)/Omio(日本語)

「どの会社が運営しているか」と「どの距離スケールで使うか」を分けて見ると、計画が立てやすくなりました。

私たち夫婦も最初は混乱しましたが、一度整理してからは、次の移動を組むのが楽になりました。

関連記事|各交通の個別ガイド

この記事は全体像の整理(ハブ)です。各交通手段の実乗レポ・手順は、それぞれの専用記事にまとめています。

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さちこ
こんにちは、さちこです。 北海道出身のアラサー主婦です。 2025年12月より、夫の海外赴任に帯同しオランダで暮らしています。 このブログ「運河のある暮らし」では、オランダでの暮らしや制度・文化、観光情報、ヨーロッパ旅行について、実体験をもとに情報をまとめています。 現地での生活や移動、手続きなど、これから訪れる方や暮らす方の参考になれば嬉しいです。 どうぞ、よろしくお願いします!

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