パリの交通機関はどう使い分ける?メトロ・RER・バス・トラムの違い
パリの公共交通は、メトロ・RER・バス・トラムと種類が多く、運営会社も分かれています。
市内の移動をGoogleマップで検索すると、いくつもの経路が出てきますが、それぞれの乗り物の違いがわかっていると、状況に応じて楽な移動方法を選ぶことができます。
この記事では、メトロ・RER・バス・トラムの違いと場面ごとの使い分け、チケットの選び方までをまとめます。
料金は2026年1月1日改定時点の公式情報(Île-de-France Mobilités/Bonjour RATP)をもとにしています。最新の値段や条件はご旅行前に公式サイトでご確認ください。
パリの交通は3社が運営している
パリと近郊(イル・ド・フランス地域圏)の公共交通は、主に3つの組織が関わっていて、それぞれの役割を最初に簡単にまとめておきます。
| 種別 | 運営 | 主な役割 |
|---|---|---|
| メトロ(地下鉄) | RATP | パリ市街地の移動 |
| バス | RATP | 市内・近郊のこまかい移動 |
| トラム(T1〜T13) | RATP | 主に市の外周部・郊外 |
| RER(A〜E線) | SNCF(一部RATP共同) | 郊外と市内を結ぶ高速線 |
| Transilien | SNCF | 郊外の通勤鉄道 |
| 料金の統括 | Île-de-France Mobilités(IDFM) | チケットの規格を統一 |
どれに乗る?場面別の使い分け

市内の観光はメトロが基本
ルーヴル美術館やエッフェル塔など、パリ市内の観光で軸になるのはメトロです。
市街地では駅が細かく配置されているので、観光エリア内の移動はほぼメトロで完結します。
私たちも市内の移動にはメトロを使いました。
日本の地下鉄と同じ感覚で、路線番号と終点の駅名(方面)を確認して乗る形です。
駅は地下にありますが、造りが古く、地上からホームまでは階段が基本です。
公式の案内でも、エレベーターだけで地上からホームまで移動できるのは14号線などごく一部の駅に限られます。
RERは「郊外まで走る高速線」
RERはA〜Eの5路線が市内を貫いて郊外まで走る鉄道で、メトロより駅間が長く、スピードが出ます。
ヴェルサイユ宮殿(RER C)、シャルル・ド・ゴール空港(RER B)、ディズニーランド・パリ(RER A)といった郊外の目的地はRERの領分です。
市内区間であればメトロと同じチケットで乗れるので、北駅からリヨン駅のような主要駅間の大きな移動にも使えます。
中心部のRERの駅はホームが地下の深いところにあり、メトロと比べると、乗り場までの通路や階段が長めです。
路線によっては2階建ての車両も走っています。
私たちはユーロスターでパリ北駅に着いたあと、TGVに乗り換えるためにRERでリヨン駅へ移動しました。
北駅からリヨン駅まで乗ったRERはかなり混んでいて、スーツケースを持っての移動は気を使いました。
バス・トラムの使いどころ
バスは市内をこまかく網羅していて、観光の足としても使えます。
メトロの駅から遠い場所や、車窓から街を眺めたいときの選択肢になります。
トラムはT1〜T13の路線が、主に市の外周部と郊外を走っています。
中心部の観光スポットには乗り入れていませんが、宿や目的地が外周部にあるときは出番があります。
どちらも地上からそのまま乗り込めるのが、メトロとの大きな違いです。
荷物がある日は「階段の少なさ」で選ぶ
私たちがキャリーバッグを持ってトラムやRERで移動した日は、乗り場にたどり着くまでの階段の上り下りがけっこうあって、なかなか大変でした。
スーツケースやベビーカーがある日は、地上を走るバスやトラム、タクシーを利用すると、消耗を減らせます。
チケットは2系統
2026年時点ではイル・ド・フランス全域の単一運賃になっています。
単発チケットは次の2系統です。
| チケット | 料金(2026年) | 乗り継ぎのルール |
|---|---|---|
| メトロ・RER・電車用 | €2.55 | 最初の改札から2時間、改札の外に出なければ乗り継ぎ自由 |
| バス・トラム用 | €2.05 | 最初の打刻から1時間30分乗り継ぎ可(同じ路線の往復は不可) |
メトロとRERは同じチケット、バスとトラムは別のチケット。
系統をまたぐ乗り換え(メトロ→バスなど)は1枚ではできず、それぞれのチケットが必要になります。
空港駅は単一運賃の例外
シャルル・ド・ゴール空港(RER B)とオルリー空港(メトロ14号線)の空港駅では、通常のチケットが使えません。専用の空港チケット(片道€14)が必要で、1日券(Navigo Jour)も対象外です。
このほか1日券や観光向けのParis Visiteパスもあります。
券種ごとの料金は「NavigoをApple Walletに追加する使い方」の記事にまとめています。
買い方はNavigo Easyかスマホ
基本は、物理カードのNavigo Easy(€2)か、スマホへの追加です。
私たちはiPhoneのApple WalletにNavigoを追加して、チケットを都度購入していました。
Walletへの追加は数分で終わるので、パリに着く前に済ませておくと、駅に着いてすぐ改札に向かえます。
追加の手順は実際の画面つきで、Navigoの記事に分けてまとめています。
ストライキや工事で止まることもある|運行情報の調べ方
パリの交通は、ストライキや工事で一部の路線が止まることがあります。
どの路線が止まるのかを前もって知る方法があるので、整理しておきます。
ストライキは何日前に分かる?
フランスの公共交通のストライキは、いきなり始まるわけではありません。
労働組合はストの5日前までに予告(préavis)を出す必要があり、ストに参加する職員は48時間前までに申告する決まりになっています。
そのうえでSNCFは、前日の17時に翌日の暫定的な運行計画を発表すると説明しています。
つまり、ストライキことは数日前に分かり、「どの路線がどれくらい動くか」がはっきりするのは前日、という流れです。
メトロ・バス・トラムを運行するRATPも、路線ごとの運行状況を公式サイトで随時更新しています。
路線ごとの運行状況を見る
調べ先は主に3つです。
| 調べ先 | 分かること |
|---|---|
| IDFM公式サイト・アプリ | イル・ド・フランス全域の運行情報。路線ごとにアイコンで表示される |
| RATP公式(Infos trafic)/Bonjour RATP | メトロ・バス・トラム・RERの今の運行状況 |
| Bonjour RATPのニュース | 工事やイベントによる乱れの事前告知(週ごとのまとめ記事もある) |
IDFMの公式サイトには、アイコンの色と意味の一覧も載っています。赤は運転中止、オレンジは遅れなどの乱れです。
Googleマップにも反映される
Googleマップでも、パリの交通の乱れは分かります。
2026年7月に北駅からリヨン駅のルートを調べてみたところ、RERの発車時刻に「2分遅れ」というリアルタイムの表示が出て、乱れのあるルートには警告のアイコンが付いていました。
ただ、ストの日に「どの時間帯が何本で動くか」といった運行計画の細かいところまでは、公式のほうが詳しく出しています。
出発前に公式で全体を確認して、当日の移動中はGoogleマップ。
そんな組み合わせが使いやすいと思います。
まとめ
運営が3社に分かれていることは、乗ってしまえば意識する場面はありませんでした。
郊外はRER、荷物のある日は地上を走るバスやトラムの方が楽。チケットは2系統。
これだけ押さえて、出かける前にその日の運行情報をのぞいておけば、あとは現地で路線図を見ながら動けると思います。
TGVやユーロスターを含めたフランス全体の交通機関の種類は、フランスの交通機関を整理した記事でまとめています。
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出典
- Île-de-France Mobilités – 2026年の運賃一覧
- Bonjour RATP – Tickets and Navigo Passes: New Rates 2026
- Île-de-France Mobilités – デジタルチケットの乗り継ぎルール
- RATP – 路線図(メトロ・RER・トラム・バス)
- Bonjour RATP – 駅のバリアフリー設備と移動のヒント
- RATP – 車いすでの移動(バス・トラム・メトロ14号線・RER)
- SNCF – ストライキの手順と運行計画の発表タイミング
- RATP – Infos trafic(運行情報)
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