ラヴォー2日目は、リヴァからサン・サフォランまで、ぶどう畑の上の道を歩きました。
寄り道込みで約2時間半。
世界遺産の段々畑と、ずっと視界にあるレマン湖。景色は文句なしでした。
ただ、思い描いていた、のんびりワイン散歩とは違いました。
坂が、きつい。
それでも、歩いてよかった道です。
ラヴォーはどこ? 散策するならどのあたり
本題に入る前に、ラヴォーの場所と、歩くエリアの絞り方だけ先に書いておきます。
ラヴォーは、レマン湖の北岸に広がるぶどう畑の産地です。
ローザンヌの東のはずれから、シヨン城のあるモントルー方面まで、湖沿いにずっと続いています。
ラヴォーのおおよその位置(レマン湖の北岸)。湖沿いに、東西へ細長く広がっています。
この斜面の段々畑が、2007年から世界遺産に登録されています。
約800ヘクタールと、スイスでいちばん大きなひとつながりのぶどう畑だそうです。
ただ、湖沿いに約30km。
ラヴォー全体を歩く、という場所ではありません。
なので、散策するなら区間をひとつに絞るのが現実的だと思います。
ぶどう畑のふもとには、湖沿いに電車の駅が点在しています(リュトリ、リヴァ、サン・サフォランなど)。
「駅から隣の駅まで、一区間だけ歩く」という組み立てにしやすいのが、この場所のいいところです。
- リヴァ 〜 サン・サフォラン(湖沿いの、隣どうしの駅)
- デザレーやサン・サフォランという、名前のついた畑のエリアにあたります
- ワインの試飲ができるラヴォー・ヴィノラマも、このリヴァにあります
- まっすぐ歩くだけなら1時間ほど。駅が隣なので、初めてでも組み立てやすい区間でした

場所のイメージがついたところで、ここから先は、その区間を実際に歩いた記録です。
コースの選び方|飲んだワインの畑へ

歩く前にいちばん困ったのが、「どこを歩けばいいのか分からない」ことでした。
歩いてみて分かったのは、どこを歩いてもきれいなので、正解を探さなくていいということです。
ぶどう畑の中に舗装された農道が網の目に走っていて、どれを選んでも畑と湖は付いてきます。
選び方をひとつ挙げるなら、すでに飲んだワインや、飲みたいワインの畑を歩くことです。
私たちは前日の宿のディナーとヴィノラマの試飲で、デザレーやサン・サフォランのワインを飲んでいました。
ここで育ったんだなあ、と思いながら歩くのは、それだけで楽しい時間でした。
目安がほしい人には、公式の遊歩道があります。
「ラ・ルート・デ・グランクリュ(La Route des Grands Crus de Lavaux)」という全長3kmの案内板付きトレイルで、道中8か所のポストにQRコード付きの解説が立っています(リヴァ駅からトレイル起点まで徒歩20分ほど)。
私たちはこれを厳密になぞらず、ヴィノラマの横の階段から畑に登って、上のほうの道をサン・サフォラン方面へ歩きました。
歩いた道の様子
スタートはヴィノラマの横、石段で一気にぶどう畑へ
前日に泊まったリヴァの宿に荷物を預けて、まずヴィノラマでワインの飲み比べ。
そのあと、建物のすぐ横から始まる石段を登って、ぶどう畑に入りました。

この登りが、なかなかの急さです。序盤から汗が出ます。
登りきると、視界が一気に開けます。左手の下にレマン湖、まわりは一面のぶどう畑。
6月のぶどうはまだ小さくて、緑色の赤ちゃんぶどうが房になっていました。

道は全部舗装。坂は急で、日陰はない
道はほぼ全部、コンクリートやアスファルトで舗装されています。土の山道ではありません。
それでも楽ではないです。理由は2つ。
- 坂がきつい。Googleマップで選んだ近道が、信じられない角度の激坂だったこともありました
- 日陰がほとんどない。ぶどう畑は日当たりが命なので、道もずっと日なたです

この日は30℃の快晴。帽子と水は必須でした。
私はワンピースにスニーカーで歩きましたが、靴だけは絶対にスニーカーをおすすめします。

すれ違うのは、パラパラと歩いている観光客くらい。この景色をほぼ貸切で歩けるのは贅沢な体験でした。
集落の石垣に、生産者の看板が並ぶ
畑の中の集落を通ると、石造りの家々に生産者(ヴィニュロン)の看板がいくつも掛かっています。

壁に「DEZALEY APPELLATION GRAND CRU」のタイルを掲げた醸造所もありました。
デザレーやサン・サフォランという畑の名前が、そのまま家の顔になっています。

ただ、看板が出ていても、そのままふらっと入って飲めるとは限りません。
個人の造り手は予約制のところが多く、村の生産者がまとめて開く共同カーヴ(caveau)も、開くのは夕方から。
少し西のキュリーやエペスあたりだと、こんな営業でした(2026年7月時点)。
| カーヴ | 営業期間 | 営業時間 |
|---|---|---|
| キュリー | 5〜10月 | 木〜日 17:00〜21:00 |
| エペス | 4〜10月 | 木〜日 17:00〜21:00 |
| グランヴォー(Corto) | 4〜10月 | 金 17:00〜21:00/土日 16:00〜21:00 |
開くのは夕方17時から、週の後半だけ。
昼間に歩いていると、ちょうど開いているカーヴにはなかなか出会えません。
昼のうちにワインを、ということなら、スタート地点のヴィノラマ(昼間営業)が確実です。
ドメーヌ・デュ・ブリニョンのテラスで1杯
この日いちばんの出来事は、サン・サフォランの手前で起きました。

畑の中に、ドメーヌ・デュ・ブリニョン(Domaine du Burignon)というワイナリーがあります。
ローザンヌ市が1802年から持つドメーヌで、宿泊(B&B)とワインを出すテラスをやっている場所です。
営業時間は限られていて、現地の看板によると5〜9月の木・金・土、17時から21時。
私たちが通りかかったのは金曜の昼すぎで、時間外でした。
ところが、ちょうど居合わせたスタッフのお姉さんが声をかけてくれて。
「ワインを求めて歩いている」と話したら、誰もいないテラスに通してくれました。
そして、ここで造っているシャスラを、グラスで飲ませてもらいました。
目の前はレマン湖と、さっきまで歩いてきた畑。この旅で忘れられない時間のひとつです。


もちろん、いつも入れてもらえるわけではないと思います。
狙って行くなら営業時間内に。歩く途中の休憩場所として、位置も雰囲気も良いところでした(詳細は公式サイトで)。
ゴールはサン・サフォラン。教会と石畳の村
15時頃、サン・サフォランの村に着きました。

石畳の細い路地に、石造りの家。人はほとんど歩いていません。
こじんまりとした、可愛い雰囲気の村でした。

帰りはサン・サフォラン駅からリヴァ駅まで電車でひと駅。
ただしこの区間、電車は1時間に1〜2本しかありませんでした。
先に時刻を確かめてから、村をゆっくり見て回るのがおすすめです。
電車代は、私たちが使っていたハーフフェアカードで、この日のラヴォー内の移動がひとりCHF4.8(約960円)でした。
通常運賃だとCHF9.6です。
ハーフフェアカードとスイストラベルパスのどちらが得かは6泊7日で実費を計算した比較記事に、カードやパスの買い方はどこで買うかを比べた記事にまとめています。
行程・所要時間・持ち物
- 10:30ごろ 宿をチェックアウトして荷物を預ける
- 午前 ヴィノラマで飲み比べ(約2時間)
- 12:30 ヴィノラマ横の石段からハイク開始
- 上の道をサン・サフォラン方面へ。途中ブリニョンのテラスで休憩
- 15時前 サン・サフォラン着。村と教会を見て、電車でリヴァへ戻る
- 寄り道込みで約2時間半。まっすぐ歩くだけなら1時間の距離だと思います
持ち物は帽子・水・スニーカー。
ワインを飲むなら、飲みすぎると坂と日差しがつらいです。
どこを歩いても、ぶどう畑と湖が付いてきます。
公式トレイル(La Route des Grands Crus)を目安にしつつ、気になった坂を登ったり下りたりする。
それくらいの気楽さで歩くのが、この場所には合っていると思います。
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