ラヴォーに着いた日の夕方、私たちはトロッコみたいな小さな列車に揺られて、ぶどう畑の坂を登っていました。

ラヴォー・エクスプレス(Lavaux Express)
世界遺産のぶどう畑の中を、線路のない道でぐるっと回ってくる観光トレインです。

乗ろうと決めたのは当日です。
ラヴォーに向かう途中で存在を知って、乗り場で直接聞いたら乗れてしまいました。

結果、この旅で気に入った時間のひとつになりました。

ラヴォー・エクスプレスとは

ラヴォー・エクスプレス(Lavaux Express)は、世界遺産に登録されたラヴォーのぶどう畑の中を、線路のない一般道でぐるっと一周してくる観光トレインです。

「エクスプレス」と名前は付いていますが、実際に走るのは、小型の客車を連ねたトロッコのような乗り物。

窓のない開放的な車両で、ぶどう畑の急な坂道をゆっくり登っていきます。

ラヴォー・エクスプレスの車両。緑の機関車型で車体に「Trois Soleils」の名前

1周の所要は約1時間15分。
運行シーズンは4月1日から11月1日までです(2026年シーズン・公式サイトより)。

坂を自分の足で歩かなくても、座ったまま段々畑とレマン湖の景色をひとめぐりできます。

発着地は2つ。私たちはキュリー発に乗った

ラヴォー・エクスプレスには、発着地の違う2つのコースがあります(2026年シーズン・公式サイトより)。

コースルート所要大人料金
キュリー発キュリー → リエ → エペス → デザレー → キュリー1時間15分CHF17
ルトリー発ルトリー → アラン → グランヴォー → ルトリー1時間15分CHF17

私たちが乗ったのはキュリー発の便。

世界遺産ラヴォーの中でも名前の知られた急斜面、デザレーのぶどう畑を回るコースです。

子ども(6〜13歳)はCHF6、5歳以下は無料。
キュリー発は土曜と火曜(夏は木曜も)に走ります。

当日、乗り場で直接乗れた

公式は予約推奨ですが、私たちは当日その場で乗れました

乗り場のスタッフさんに直接聞いて、空きがあったのでそのまま。

支払いは現地で、カードも使えます(現金はCHFとEUR)。

この日の乗客は、私たちのほかは小さな子ども連れの家族が3組ほど。
おじいちゃんおばあちゃんと孫、という組み合わせもいて、のんびりした空気でした。

当日に飛び込みで来ていたのも、私たちだけではなさそうでした。

さちこ
さちこ

混む時期は分からないので、日程が決まっているなら公式サイトから予約しておくほうが確実だと思います。私たちは平日夕方の便で、たまたま空いていました。

乗り場は湖の目の前。待ち時間がすでに楽しい

乗り場はキュリーの船着場前(Place d’Armes)。

キュリー駅から湖に向かって下って数分の場所です。広場に「Lavaux Express」の案内看板が出ているので、着けば分かります。

キュリーの乗り場広場。Lavaux Expressのチケット案内看板とワイン樽のワゴン

私たちは前の泊地のリヴァから来ましたが、リヴァ駅からキュリー駅は電車(R1)でわずか5分。
ローザンヌからも同じ路線で15分ほどです。

この区間の普通列車は、スイストラベルパスやハーフフェアカードの対象です。
山エリアからレマン湖の方へ移動してくる途中に寄れるのも、ラヴォーの気軽なところだと思います。

船着場前はちょっとした公園になっていて、木陰にベンチが並び、湖の際には水に足が届きそうな椅子まで置いてあります。

キュリー湖畔の岩場に置かれた椅子。対岸にぶどう畑の斜面

私たちは出発までの時間に、キュリーのCoopでピスタチオと干し肉、小さなワインを1本買ってきて、この公園で軽くピクニックにしました。

レマン湖は泳いでいる人がいるくらい水がきれいで、眺めているだけで待ち時間が終わります。

キュリー湖畔から見たレマン湖。対岸に山並み

車窓:畑の坂を登って、デザレーの上で20分の休憩

出発すると、列車は湖沿いから、ぶどう畑の細い道へ登っていきます。

デザレーの段々のぶどう畑を見上げる。石垣のテラスが上まで続く

窓のない開放的な客車なので、風がそのまま入ってきて気持ちいい。

両側にぶどうの列、振り返るとレマン湖。

歩いたら汗だくになる坂を、座ったまま登っていきます。

ぶどう畑越しに見下ろす透明なレマン湖と湖沿いの線路

コースの高いところ、デザレーの畑の上では20分ほどの停車時間がありました。

みんな降りて写真を撮ったり、ベンチに座ったり。

決まった見学コースがあるわけでもなく、自由な休憩時間です。

車窓からのレマン湖と段々のぶどう畑。湖沿いに線路が走る

走行中はけっこう揺れます。小さい子は座席でしっかり座らせてあげてください。

ワイナリーに寄る特別便もある

通常の周遊のほかに、ワイン好き向けの特別便があります。

  • Train du caveau(カーヴ便):カーヴに45分立ち寄り、試飲3種+記念グラス付き。金・土・日の18:30発、CHF28(5/1〜9/20ごろ)
  • Train de l’apéro(アペロ便):アラン村の畑の中で45分のアペリティフ。木曜18:30発、CHF25(6/4〜9/17)

私たちは当日飛び込みだったので普通の周遊にしましたが、事前に日程を組むなら、こういう便に合わせて予約しておくのも良さそうです。

カーヴは営業時間が限られているので、列車ごと連れて行ってくれるのはありがたい仕組みだと思います。

飲むより景色を優先したい日でも大丈夫でした。
ラヴォーのシャスラを腰を据えて飲み比べたいなら、リヴァにあるラヴォー・ヴィノラマという試飲施設もあります。

発着地や運行日はコースごとに違います。年によっても変わるので、乗る日が決まったら公式サイトで時刻表と予約をご確認ください(この記事の内容は2026年シーズンのものです)。

乗る前後に、キュリーの町を歩く

キュリーの町も、こぢんまりして良いところでした。

教会の尖塔の向こうにぶどう畑の丘が見えて、路地の脇にもぶどうが植わっています。

キュリーの路地。教会の尖塔と丘の上のぶどう畑

湖畔で食べたアイスも印象に残っています。

ラヴォー・エクスプレス受付のすぐ横に、Glaces Venetaというアイス屋さん(小屋)がありました。

ラヴォーのぶどうを使ったワインレーズンの味を選びました。

ラムレーズンのお酒をワインに替えたような風味で、これがとてもおいしかったです。

キュリー湖畔の公園で食べたGlaces Venetaのアイス。ワインレーズン味
ワインレーズンのアイスのアップ。レーズンの粒が入っている

グリンデルワルトやツェルマットの山エリアを回ってきた身には、このあたりの物価は目に見えて穏やかに感じました。

時間がなくて入れなかったレストランも気になったので、次はキュリーでゆっくり食事をしたいです。

どんな人に向いているか

ラヴォー・エクスプレスは、坂を歩かずにぶどう畑の景色を見たい人に向いていると思います。

小さな子ども連れや、暑い日、時間が限られている日にもちょうどいい1時間15分です。

私たちは初日の夕方にこれでラヴォーの全体像をつかんで、翌日は自分の足でぶどう畑を歩きました

この順番は、われながら良い組み合わせでした。

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