イヴォワールへジュネーブから船で。スイス旅の最終日に渡った、レマン湖の花の村
スイス旅行の最終日、朝のジュネーブはもう33度ありました。
一週間かけて山ばかり見てきたあとで、この暑さの中を市内観光する気にはなれず、前日の夜に「どこか涼しい湖のほうへ」と行き先を探しました。
そうして選んだのが、レマン湖をはさんだフランス側の中世の村、イヴォワールです。
ジュネーブから船で渡って、帰りはニヨンを経由して戻ってくる。丸一日の日帰りになりました。

なぜ最終日にイヴォワールへ
イヴォワールは、もともと予定に入れていた場所ではありませんでした。
ジュネーブは一泊だけで、見ておきたかった市内のスポットは前日にひととおり回りきっていました。
そこにこの暑さです。日帰りでどこかへ、と当日の朝までゆるく考えていました。
候補は他にもありました。対岸のエヴィアン、少し足を伸ばしてモンブラン、あるいは前に泊まったラヴォーへ戻る案です。
ただ、山はもう十分に見たので、モンブランまで行くと疲れてしまう。ラヴォーはとても好きな場所ですが、来た道を戻るのは旅の最後に少し違う気がしました。
そんな消去法で、「花で有名な中世の村」というイヴォワールが残った、という選び方です。
ジュネーブからイヴォワールへの行き方と所要時間(船)
イヴォワールへは、レマン湖の遊覧船会社CGNの定期便で渡りました。
私たちが乗ったのは、ジュネーブのモンブラン船着場(Genève Mont-Blanc)発の便です。泊まっていたホテル・セントラルからは歩いて10分ほどでした。

時刻は、夏ダイヤ(6月〜9月)の公式時刻表でこうなっていました。
| 区間 | 便の一例 | 所要 |
|---|---|---|
| ジュネーブ Mont-Blanc → イヴォワール | 10:45発 → 12:25着 | 約1時間40分 |
| イヴォワール → ニヨン | 便により約20分 | 短い横断 |
ジュネーブからの便は途中、ジュネーブ・オー・ヴィーヴ、ヴェルソワ、コペ、ニヨンに停まりながら進みます。まっすぐ渡るのではなく、湖岸をたどっていくイメージでした。
チケットは、行きはCGNの公式サイトから、帰りはSBBアプリで買いました。
公式サイトは、区間と日付を選んで、そのままオンラインで決済する形です。ハーフフェアの運賃も選べました。
帰りのイヴォワール→ニヨンは、SBBアプリの検索に船の便がそのまま出てくるので、電車を買うのと同じ感覚でした。アプリの基本的な使い方はSBBアプリでのチケットの買い方にまとめています。
乗り場にも窓口があって、当日そこで買っている人もいました。
当日は乗る10分前に着いたら、すでに長い行列でした。それでも、船に乗ってしまえば席が見つからないほどではありませんでした。
買い方と便数のこと:ジュネーブ↔イヴォワールは1日3便ほど、イヴォワール↔ニヨンは夏で1時間に1〜2便が目安です(2026-07-06時点・cgn.ch)。国境をまたぐ便は乗船前にチケットを用意しておくのが基本なので、行く日が決まったらCGN公式サイトで当日の時刻を確かめておくと安心です。時刻表は、ジュネーブ↔イヴォワールがCGNの総合時刻表(PDF)、イヴォワール↔ニヨンがN3線の時刻表(PDF)で確認できます。
スイストラベルパスやハーフフェアで乗れる?
レマン湖のCGNの船は、スイスの鉄道パスが使えます。
私たちはハーフフェアカードを持っていたので、半額で乗りました。CGNの公式FAQにも、スイストラベルパスとハーフフェアは定期便・クルーズで有効と書かれています。
イヴォワールやエヴィアンのようにフランス側へ渡る便でも、公式の運賃リーフレットにハーフフェア運賃の欄がありました。
実際に払った額は、こうです。
| 区間(いずれも片道) | 2人での支払額(ハーフフェア) |
|---|---|
| ジュネーブ → イヴォワール(船) | CHF30.00 |
| イヴォワール → ニヨン(船) | CHF16.00 |
| ニヨン → ジュネーブ(列車) | CHF9.40 |
※2026年6月20日に私たちが支払った実額です。運賃は改定されることがあるので、最新はCGN公式サイトでご確認ください。
パスの選び方そのものは、ハーフフェアカードとスイストラベルパスの比較記事にまとめています。
国境はどうなる?パスポート・支払い・スマホ
フランスに渡ると聞くと身構えますが、船ではパスポートのチェックも国境の検査もありませんでした。念のため持っては行きましたが、出す場面はなかったです。
「フランスに入った」という強い実感も、あまりありませんでした。スイス自体、場所によって雰囲気がまるで違ったので、その続きのような感覚でした。
村での支払いはユーロです。カードで問題なく払えて、現金を使う場面はありませんでした。
スマホ(私は楽天モバイルでした)も、特に何も気にせずそのままつながっていました。
船は外輪船。デッキの風と、湖の景色
乗ってみて楽しかったのが、これが昔ながらの外輪船(パドルスチーマー)だったことです。
船の真ん中あたりで大きな水車がぐるぐる回り、水しぶきを上げているのが甲板からよく見えました。近くにいた子どもたちが、それを喜んでのぞき込んでいました。


デッキに出れば風が気持ちよく、座ってのんびりもできます。広い船なので揺れも少なく、暑さから逃れてゆっくり過ごせました。

湖そのものの美しさでいうと、私はルツェルン湖の遊覧船のほうが好みでした。そのときの記録はルツェルン湖クルーズの記事に書いています。
イヴォワール行きは、景色を楽しむというより、涼みながら村へ渡る時間として心地よかったです。
イヴォワールの村を歩く
船から近づくと、こぢんまりとした村と、白っぽい石造りの家並みが見えてきました。
歩いてみると、家々に花がたっぷり飾られていて、かわいらしい村です。ツバメがたくさん飛び交っていました。
道は石畳ではなくコンクリートで、歩きやすかったです。


湖の水がとても澄んでいて、浅瀬の底まで見えるほどでした。教会の玉ねぎ型の鐘楼や、中世の石門も残っています。


村には「五感の庭(Jardin des Cinq Sens)」という有名な庭園もあります。植物を売る入口までは行きましたが、時間の都合で中には入りませんでした。

五感の庭(未入園・公式情報):入園料は大人€15、子ども(6〜18歳)€8.50。2026年は4/10〜9/13が10:00〜18:30(券売は17:30まで)です。私たちは入っていないので、詳しくは公式サイトをご確認ください。
お土産物屋さんも思ったより多くありました。葉っぱや押し花で絵を作る雑貨屋さんや、アンティークショップがあって、見て回るのが楽しかったです。

レマン湖の魚ランチ(Elles)
この日は、村歩きと同じくらいレマン湖の魚を食べるのが目的でもありました。
入ったのは「Elles」というお店です。Googleマップの評価を見て選びました。

前菜に、山のワイルドガーリックを添えたアスパラガスと、鱒(トラウト)のセヴィーチェを頼みました。セヴィーチェは唐辛子がきいた、酸味のある一皿でした。


メインは、レマン湖の魚を二種類。アークティックチャー(イワナの仲間)のフィレと、パーチ(perche)のフィレのレモンバターです。
チャーは想像以上に大きく、白身で脂がしっかりのっていました。パーチのレモンバターはこってりとして、量もあります。
おいしくいただきつつ、日本の魚って美味しいんだな、とも思いました。


ワインは、フランスのプロヴァンスの白(Miraval, Côtes de Provence)をグラスで。前菜からメイン、ワインまでで、少し贅沢なランチになりました。
湖畔のテラス席はどこも満席で、私たちは最後、村を出るときに芝生に座って休みました。観光客は思っていたよりずっと多かったです。
帰りはニヨン経由。ローマの街にも立ち寄る
帰りは、イヴォワールから船でニヨンへ渡り、ニヨンから列車でジュネーブに戻りました。
ニヨンでは少し途中下車して、街を歩きました。

ニヨンはローマ時代の古い街で、湖を見下ろす丘にローマ時代の列柱が立っています。城のそばのエスプラナードにあり、紀元50年ごろのフォーラムの遺構を1958年に再建したものだそうです。
丘の上にはシャトー・ド・ニヨン(12世紀の城)もあり、街なかにはローマ博物館もあります。イヴォワールほど見どころが密集しているわけではありませんが、軽く立ち寄るにはちょうどよい街でした。

行き方の組み合わせ:ジュネーブから船で通しで渡る方法と、ニヨンまで列車で行って船に乗り換える方法があります。ニヨン経由のほうが少し安く、時間も短めです。ひとつ気にしておきたいのが、ニヨンの駅と船着場の間の坂です。行き(駅→船着場)は下りなので楽ですが、帰り(船着場→駅)は上りになります。私たちのように帰りをニヨン経由にすると、最後にこの坂を上ることになりました。ニヨン→ジュネーブの列車は日中1時間に4本ほど(所要15分前後・2026-07-06にSBB時刻表で確認)あるので、船さえ乗れれば、そのあとはあまり待たずに戻れます。イヴォワール→ニヨンの船は本数が多くないので、帰りの便の時間だけ気にしておくと安心です。
まとめ
イヴォワールは、ジュネーブから船で約1時間40分、レマン湖を渡ったフランス側の小さな村でした。
パスポートの検査もなく、ハーフフェアで船に乗って、村では花と澄んだ水を眺め、レマン湖の魚を食べる。帰りはニヨンでローマの遺跡に寄って戻ってくる。
そんな一日でした。
スイスの絶景を見たあとだと、この村が旅のハイライトになるわけではありません。それでも、暑いジュネーブから少し足を伸ばして、涼みながらのんびりできる日帰り先として、私たちには気持ちのよい最終日になりました。
ジュネーブに滞在して一日空いた人や、中世の街並みと湖が好きな人には、候補になると思います。
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パスの選び方はこちらで比較しています。
湖の遊覧船つながりで、ルツェルン湖のクルーズ記録です。
ジュネーブ空港から市内への行き方はこちら。
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