ユングフラウとマッターホルン、どっちに行く?両方まわって感じた違い
スイスの二大名峰といえば、ユングフラウ(ベルナーオーバーラント)とマッターホルン(ツェルマット)です。
私たちは2026年6月の1週間の旅で、両方をまわりました。6月15日にグリンデルワルトへ入って1泊、翌16日にミューレンで1泊、17日の昼にツェルマットへ移動して1泊、という日程です。
どちらも山開きの季節で、幸いなことにほぼ晴れました。両方を続けて歩いたからこそ見えた違いを、選ぶときの材料として残しておきます。
位置・標高・拠点の基本
まず、この2つは、山の位置も、麓の拠点の作りも別物です。
| ユングフラウ側 | マッターホルン側 | |
|---|---|---|
| エリア | ベルナーオーバーラント(ベルン州) | ヴァレー州・ツェルマット |
| 山のかたち | アイガー・メンヒ・ユングフラウの三山が連なる | スイス/イタリア国境の稜線上にそびえる、四つの尾根を持つピラミッド型の峰 |
| 山そのものの標高 | ユングフラウ4,158m/メンヒ4,107m/アイガー3,970m | マッターホルン4,478m |
| 主な拠点 | グリンデルワルト・ラウターブルンネン・ミューレン・ウェンゲンなど複数 | ツェルマット(イタリア側はチェルヴィニア) |
マッターホルンは、周囲から独立してそびえて見えることで知られます。ただし山群としてはモンテローザなどと同じペンニネアルプスの一峰で、四方に尾根が伸びています。
山の高さでは、そびえる一峰のマッターホルン(4,478m)のほうが、ユングフラウの三山より高くなります。
山の見え方(360度か、一峰か)
ユングフラウ側は、村のすぐ目の前に巨大な山がそびえます。グリンデルワルトではアイガーの岩壁が真正面にあって、見たことのないサイズ感でした。
しかも三山だけでなく、周りにも大きな山や、ラウターブルンネンの断崖に張りつく村など、見どころが四方にあります。歩いていて感動したのはユングフラウのほうでした。

この写真は、メンリッヒェンからクライネ・シャイデックへ歩いたときのものです。歩いた記録は「メンリッヒェンからクライネ・シャイデックへ。三山を正面に歩くパノラマトレイル」に書いています。
ミューレンからロープウェイで上がったシルトホルンの山頂からも、ベルナーオーバーラントの峰々をぐるりと見渡せました。

マッターホルン側は、名前のとおりマッターホルン一強です。あの尖った形がとにかく芸術的で、ずっと見ていたくなります。
ツェルマットの街なかは建物にさえぎられて山が見えない場所もありますが、見える位置に立つと、あの一峰がすっと立っています。

赤い花越しのこの一枚は、ツェルマットから地下ケーブルカーで上がったスネガ展望台で撮りました。
その場の感動はユングフラウが上でした。ただ、あとで写真を見返すと、マッターホルンの美しさも際立ちます。写真映えはマッターホルンだと思いました。360度の景色は一枚に収まりきらないぶん、写真だと差が出るのかもしれません。
いちばん心に残ったマッターホルンの景色は、ゴルナーグラートの逆さマッターホルンでした。湖に映る姿は、その場でも、写真で見返しても美しかったです。

行きやすさと拠点の作りやすさ
チューリッヒからのアクセスは、グリンデルワルトのほうが近くて楽でした。
ツェルマットはミューレンからインターラーケン経由で向かいましたが、その後も乗り換えが数回あります。
疲れるほどではないものの、乗り過ごさないよう気を配る場面はありました。
拠点の作りやすさは対照的です。マッターホルンを見に行く拠点は、スイス側ではツェルマットがほぼ一択です(イタリア側にチェルヴィニアという村もあります)。
ユングフラウ側はグリンデルワルト、ラウターブルンネン、ミューレン、ウェンゲンなど、拠点を選べます。
私たちのように村を移りながら泊まると、荷物移動の手間はありますが、いくつもの村を味わえました。
料金と割引(ハーフフェアなら差は小さい)
私たちはハーフフェアカードを使いました。山の交通は基本的に半額で乗れますが、それでも高いと感じます。
代表的な展望台の割引率を並べると、こうなります。
| スイストラベルパス | ハーフフェアカード | |
|---|---|---|
| ゴルナーグラート(マッターホルン側) | 50%off | 50%off |
| ユングフラウヨッホ(ユングフラウ側) | 25%off | 50%off |
ハーフフェアカードなら、どちらも一律で半額です。スイストラベルパスの場合は、ゴルナーグラートは半額が効きますが、ユングフラウヨッホは25%どまりでした。
どのパスが自分に合うかは、行き先の数と滞在日数で変わります。
私たちの比較は「スイストラベルパスとハーフフェアカード、どっちがお得だった?」と「スイスの交通パスの割引率まとめ」にまとめています。
“頂上の頂上”について:じつは私たちは、ユングフラウヨッホにもマッターホルングレイシャーパラダイスにも上がっていません。どちらも本記事の体験には含みません。
参考までに公式の数字だけ添えると、ユングフラウヨッホは3,454mで「トップ・オブ・ヨーロッパ(ヨーロッパ最高所の鉄道駅)」。
マッターホルングレイシャーパラダイスは3,883mで、ヨーロッパ最高所のケーブルカー駅です。標高そのものは後者のほうが高くなります。
街の雰囲気(泊まって心地よかったのは)
グリンデルワルトは、どこから見ても山が綺麗に見える村でした。人はそれなりにいますが、歩きにくいほどではありません。

ミューレンは崖の上の小さな村で、車も入れません。日中は観光客で混みますが、朝は静かで、泊まったからこそ味わえた時間でした。

その静かな朝には、アルメントフーベルから花のトレイルを歩きました。
ツェルマットは高級ブランド店も多い賑やかな街で、人がとにかく多い印象でした。

泊まって心地よかったのはユングフラウ側でした。もう一度スイスへ行くとしても、私たちはまたユングフラウ地方を選ぶと思います。ただ、マッターホルンを一度この目で見られた満足も、それとは別に大きかったです。
宿代はツェルマットのほうが高い傾向があります(公式の比較データでも、宿はグリンデルワルトより2〜4割ほど高めでした)。
買い物はどちらの村にも大きなCoopがあって困りませんでした。
どっちがどんな人に向くか
両方まわって、私たちなりの向き・不向きはこう整理できました。
- ユングフラウが向く人:緑の草原・青い空・大きな山という「ザ・アルプス」を思い描いてスイスに行く人。360度のパノラマとハイキング重視、落ち着いた村で過ごしたい人。
- マッターホルンが向く人:あの一峰をどうしても見たい人。写真に残る絶景を狙いたい人。賑やかな山岳リゾートの空気も楽しめる人。
どうしても一つなら、私たちはユングフラウを選びます。歩いた満足感がそれだけ高かったからです。
ただ、氷河特急(グレッシャー・エクスプレス)などのパノラマ列車に乗りたいなら、ツェルマットは発着地として組み込みやすい街です。
私たちは「山を見て歩きたい」を優先して今回は見送りましたが、鉄道旅がメインの人には向くと思います。
これから組む人へ
反省もありました。天気に恵まれたから満足できたものの、どちらも最低もう1泊ずつあれば、行きたかった場所をもっとまわれたはずです。
マッターホルンを絶対に見たい人には、1泊2日は天気のリスクが高めです。
「どこか一か所でも晴れて綺麗に見えればいい」と割り切れるなら、私たちのような詰め込み方でも旅は成り立ちました。
混雑を避けたいなら、土日と、ヨーロッパの休暇シーズンにあたる7〜9月を外すのがよさそうです。6月中旬は山開き後で空きすぎず、暑すぎず、私たちにはちょうどよい時期でした。
まとめ
ユングフラウとマッターホルンは、同じスイスの名峰でも性格がまるで違いました。
360度の大パノラマに包まれたいならユングフラウ、あの一峰の存在感に会いたいならマッターホルンです。
建物はどちらもアルプスのシャレー様式で似ていますが、景色の出かたと街の空気は別物でした。
時間が許すなら両方、どうしても一つなら私たちはユングフラウを選びます。この記事が、限られた日程でどちらに行くかを決める材料になればうれしいです。
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それぞれのエリアで実際に歩いた記録と、交通パスの比較です。
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