ディジョンといえば、マスタードです。

ブルゴーニュ地方の首都であるこの街では、旧市街のお土産屋さんをのぞくと、棚のあちこちにマスタードの瓶が並んでいます。ブルゴーニュ風、カシス、トリュフ、白ワイン入りと種類が多く、「結局どれを、どの店で買えばいいんだろう」というのが旅行前の私の正直な疑問でした。

その中でもよく名前を見かけたのが、Fallot(ファロ)とMaille(マイユ)の2軒です。

私たち夫婦は2026年4月、ディジョンの旧市街で両方の店を訪ね、どちらのマスタードもテイスティングしてきました。Fallotではカシスマスタードを買い、Mailleでは店頭で味を試させてもらいました。

この記事では、2店の製法・味・値段・店の場所の違いに加えて、お土産としての選び方や瓶の持ち帰りの注意までまとめます。

この記事で分かること

  • FallotとMailleの製法と味の違い(両店とも実食)
  • お土産にどちらが向いているか、目的別の選び方
  • ディジョン マスタードの値段の目安(瓶€5〜15)
  • 店舗の場所と、2軒を回る順番・所要時間
  • 瓶を割らずに持ち帰るための注意

ディジョンといえばマスタード|お土産屋に並ぶ人気2店

ディジョンのマスタードづくりは中世までさかのぼり、街の名物として根付いています。そのため、旧市街のお土産屋さんやスーパーでも、マスタードはまず目に入る定位置に並んでいます。

なぜディジョンはマスタードで有名なのか

理由は、ブルゴーニュのワイン文化と深く結びついています。

ひとつは、ブルゴーニュ公国の宮廷で中世からマスタードが珍重されてきたことです。13〜14世紀には公の食卓に欠かせない調味料として広まり、1336年の宴では大量のマスタードが振る舞われたという記録も残っているそうです。こうして、街の産業として根づいていきました。

もうひとつは、ワイン用のブドウ畑との相性です。マスタードの種はブドウ畑に一緒に植えられ、ワイン造りの過程で出るブドウ果汁と種子を合わせてマスタードが作られていました。

そして1856年、ディジョンのジャン・ネジョン(Jean Naigeon)が、酢の代わりにヴェルジュ(未熟なブドウの果汁)を使う製法を取り入れたことで、今の「ディジョンマスタード」らしい風味が生まれたとされています。

ワインの名産地だったからこそ、その副産物を生かしたマスタードが発展した、というのがディジョンとマスタードのつながりです。

数あるブランドの中で、専門店として旧市街に直営店を構えているのがFallotとMailleです。私たちもこの2軒を目当てに歩きました。

辛めで力強いマスタードが好きならFallot、なめらかでマイルドな味が好きならMaille、というのが両方を口にした私たちの大まかな印象です。以下で製法・味・値段・場所を順番に見ていきます。

FallotとMailleの違い|一覧で比較

最初に違いを表でまとめます。

項目 La Moutarderie Fallot Maille
創業 1840年 1747年
規模 独立系・家族経営 大手ブランド(ユニリーバ傘下)
製法 石臼挽き(伝統的) 種子をカットする独自製法
味(実食) 粒感が残り、辛味と香りがしっかり立つ なめらかで、辛味の角がとれてまろやか
看板商品 カシスマスタード、ブルゴーニュマスタード トリュフ入り、白ワイン入り、生マスタード(ポンプ売り)
ディジョン店 16 rue de la Chouette 32 rue de la Liberté
営業時間 月〜土 10:00〜19:00 月〜土 10:00〜19:00

味の方向性がはっきり違うので、好みで選んでも、両方買って食べ比べても楽しめます。

La Moutarderie Edmond Fallot|石臼挽きの独立系

1840年創業、ブルゴーニュの独立系マスタード製造所

項目 内容
住所 16 rue de la Chouette, 21000 Dijon
営業 月〜土 10:00〜19:00(日休)
公式 https://www.fallot.com/

1840年創業の家族経営です。本社・工場はディジョン近郊のボーヌ(Beaune)にあり、ブルゴーニュ地方で唯一残った独立系マスタード製造所とされています。

製法|石臼でゆっくり挽いて香りを守る

Fallotの特徴は石臼挽き(meule de pierre)です。

マスタードの種子は熱に弱く、機械で高速に挽くと熱で香りが飛んでしまうため、石臼で時間をかけて低温で挽くことで香りと風味を守る方式を採用しています。

そのためFallotのマスタードは粒感が残り、Mailleより辛味と香りが立つと案内されています。実際に試食すると、香りが強く、舌に残る辛さもしっかりしていました。

店構え|ノートルダム教会のすぐ裏

ディジョン店舗は、ノートルダム教会の側面(フクロウのレリーフがある側)と同じRue de la Chouette沿いにあります。フクロウを撫でた流れでそのまま立ち寄れる立地でした。

店内にはマスタードを試食できるバーが設置されていて、買う前にいくつかの味を試せました。

私が買ったもの|カシスマスタード(瓶€5〜15)

カシスマスタードは、ブルゴーニュ名産のカシス(黒スグリ)リキュールを混ぜ込んだ、少し赤紫色のマスタードです。

一見「果物のマスタード?」と身構えましたが、ほのかな酸味と甘味があり、辛味とあわさった味でした。私たちはラムや鴨などの肉料理に合わせました。

価格は瓶のサイズにもよりますが、€5〜15程度でした。

Maille|1747年創業、ポンプ売りの老舗

パリ・ロンドン・NYに展開するブランド

項目 内容
住所 32 rue de la Liberté, 21000 Dijon
営業時間 月〜土 10:00〜19:00(日休)
公式 https://fr.maille.com/

1747年創業の老舗で、現在はユニリーバ傘下です。フランス国内のほか、パリ・ロンドン・ニューヨークにも直営店を構えています。

ディジョンのMaille店内、蜂蜜とモデナ産バルサミコ入りマスタードの陳列棚

製法|種子をカットする独自方式

MailleはFallotとは対照的に、種子をカット(粉砕)してすり潰す独自製法です。きめが細かく、なめらかなペースト状に仕上がります。

「Dijonマスタード」として世界に広く流通しているなめらかな味は、この製法によるものです。

試してみた印象|なめらかでまろやか

Mailleでも店頭でテイスティングをさせてもらいました。

Fallotの粒感が残る力強い辛さと比べると、口当たりがはっきり違い、Mailleはなめらかで辛味の角がとれてまろやかでした。酸味とのバランスがとれていて、ソースに溶かしたりドレッシングに使ったりするのに合いそうだと感じました。

店構え|メインストリート、ポンプから生マスタード

ディジョンのメインストリートRue de la Liberté(リベルテ通り)沿いの大きな店舗です。

店内には金属ポンプが並んでいて、生のマスタードをその場で量り売りするのが看板スタイルでした。

陶器の容器(ポット)に入れてもらえます。トリュフ入り、白ワイン入り、コニャック入りなどフレーバーの種類が豊富で、品揃えはFallotより多い印象でした。

買い損ねたフレーバー|バルサミコマスタード

今回買い損ねたのが、バルサミコ酢入りマスタードです。Mailleの店内で気になったものの、すでにFallotで購入済みだったため見送りました。次回ディジョンに行ったら買ってみたいと思っています。

どっちを買う?目的別の選び方と値段の目安

味の方向性が違うので、目的で選ぶと迷いにくいです。

こんな人に 向いていそうな店
力強い辛味と粒感、伝統的な味を求める Fallot
マイルドで、ソースに溶けやすいのが好み Maille
限定フレーバーやポンプ売りの体験も楽しみたい Maille
独立系・地元密着の作り手を応援したい Fallot
観光ルートに組み込みやすい店舗が良い Fallot(フクロウ通り沿い)
種類豊富な中から選びたい Maille
自宅用とお土産を1軒で揃えたい Maille

私たちは肉料理に合わせる辛めの味が欲しかったので、Fallotでカシスマスタードを買いました。

値段の目安とお土産の数

観点 内容
価格帯 瓶あたり €5〜15 程度
ばらまき用 小さめの瓶を複数
自分用 お気に入りのフレーバーを1本
2軒回る場合 予算は大きくは増えにくい

職場や友人に配る用なら、小さめの瓶を数を分けて買うと渡しやすいです。自分用にじっくり使うなら、お気に入りのフレーバーを1本だけ選ぶ、という買い方もできます。

価格は瓶あたり€5〜15程度なので、何本か選んでも予算が大きく膨らみにくい範囲だと思います。荷物に余裕があれば、両店で1本ずつ買って食べ比べる選び方もあります。

どこで買う?2軒の回り方と所要時間

ディジョンのマスタード専門店に天井近くまで並ぶマスタード瓶の棚

ディジョンの旧市街は徒歩圏内にまとまっています。

フクロウのレリーフ → Fallot → ノートルダム教会前 → Rue de la Liberté → Maille の順で回ると、観光と買い物が同時に進みました。

所要時間の目安は、フクロウ30分・Fallot30分・Maille30分で合計1時間半〜2時間ほど。両店で試食しながら買い物をすると気付けば1時間以上経っていたので、ランチ前後に組み込むと回りやすかったです。

持ち帰りの注意|重さと液体の扱い

マスタードは瓶入りで、思ったより重さがあります。

何本かまとめて買うと、その分スーツケースが重くなる点は意識しておくと安心です。

中身は液体に近いペースト状なので、機内持ち込みの手荷物だと液体物の制限の対象になりうると考えて、預け入れの荷物に入れるのが無難でした。

瓶が割れないよう、衣類などで包んでスーツケースの中央に入れると安心です。

まとめ

項目 Fallot Maille
創業 1840年 1747年
規模 独立系・家族経営 大手ブランド
製法 石臼挽き 種子カット式
味(実食) 辛味と粒感・力強い なめらか・まろやか
看板商品 カシス、ブルゴーニュ トリュフ、白ワイン、生マスタード
ディジョン店 Rue de la Chouette 16 Rue de la Liberté 32
訪問日 2026年4月4日(両店で試食)

私たちは今回、Fallotでカシスマスタードを買い、Mailleでは店頭で味を試しました。

帰国後にカシスマスタードを開けるたびに、フクロウ通り沿いの店内を思い出します。お土産が旅の記憶とつながるのは、私にとってうれしいことでした。

出典

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さちこ
こんにちは、さちこです。 北海道出身のアラサー主婦です。 2025年12月より、夫の海外赴任に帯同しオランダで暮らしています。 このブログ「運河のある暮らし」では、オランダでの暮らしや制度・文化、観光情報、ヨーロッパ旅行について、実体験をもとに情報をまとめています。 現地での生活や移動、手続きなど、これから訪れる方や暮らす方の参考になれば嬉しいです。 どうぞ、よろしくお願いします!

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