ディジョンの旧市街を歩くと、お土産屋さんの棚にマスタードの瓶が並んでいます。

お土産屋さんの棚にもマスタードはたくさん並んでいますが、専門店として有名なのがファロ(Fallot)とマイユ(Maille)の2軒です。

我が家は2026年4月、ディジョンの旧市街で両方の店を訪ねてきました。

この記事では、2店の製法・味・値段・場所の違いと、お土産としての選び方までまとめます。

ディジョンのマスタードが名物になった理由

ディジョンのマスタードづくりは中世までさかのぼり、街の名物として根付いています。

背景には、ブルゴーニュのワイン文化との深い結びつきがあります。

ひとつは、ブルゴーニュ公国の宮廷で中世からマスタードが珍重されてきたことです。

13〜14世紀には公の食卓に欠かせない調味料として広まり、1336年にブルゴーニュ公が催した宴では、320リットルものマスタードが振る舞われたという記録が残っているそうです。

もうひとつは、ワインの産地だったことです。

マスタード作りには酸味のある液体が要りますが、ブルゴーニュでは新しいワインやその酢、未熟なブドウの果汁がそのまま使えました。

ワインの名産地だったからこそ、その副産物を生かしたマスタードが発展した、というのがディジョンとマスタードのつながりです。

数あるブランドのなかで、専門店として旧市街に直営店を構えているのがファロとマイユです。

ファロとマイユの違い|お土産選びの比較一覧

最初に違いを表でまとめます。

項目ファロ(La Moutarderie Fallot)マイユ(Maille)
創業1840年1747年
規模独立系・家族経営大手ブランド(ユニリーバ傘下)
製法石臼挽き(伝統的)種子をカットする独自製法
味(実食)粒感が残り、辛味と香りがしっかり立つなめらかで、辛味の角がとれてまろやか
看板商品カシスマスタード、ブルゴーニュマスタード(IGP)トリュフ入り、白ワイン入り、生マスタード(ポンプ売り)
ディジョン店16 rue de la Chouette32 rue de la Liberté

味の方向性がはっきり違うので、好みで選んでも、両方買って食べ比べても楽しめます。

ファロ(Fallot)|石臼挽きの独立系マスタード

ディジョンのマスタード専門店に天井近くまで並ぶマスタード瓶の棚

1840年創業の家族経営です。

本社・工場はディジョン近郊のボーヌ(Beaune)にあり、ブルゴーニュ地方で唯一残った独立系マスタード製造所とされています。

看板商品のひとつ「ブルゴーニュマスタード」は、IGP(地理的表示保護)の認証を受けた製品です。

2009年に認証された区分で、種も白ワインもブルゴーニュ産のものだけを使うことが条件になっています。

一方「ディジョンマスタード」のほうは、1937年の政令で一般名称とされていて、産地の縛りがありません。

原料の産地にこだわって選びたいときは、この違いが目印になります。

製法|石臼でゆっくり挽いて香りを守る

ファロの特徴は石臼挽き(meule de pierre)です。

マスタードの種子は熱に弱く、機械で高速に挽くと熱で香りが飛んでしまいます。

そこで石臼で時間をかけて低温で挽くことで、香りと風味を守る方式を採用しています。

そのためファロのマスタードは粒感が残り、マイユより辛味と香りが立つと案内されています。

店内にはマスタードを試食できるバーが設置されていて、買う前にいくつかの味を試せました。

実際に試食すると、香りが強く、舌に残る辛さもしっかりしていました

私が買ったお土産|カシスマスタード

カシスマスタードは、ブルゴーニュ名産のカシス(黒スグリ)リキュールを混ぜ込んだ、少し赤紫色のマスタードです。

一見「果物のマスタード?」と身構えましたが、ほのかな酸味と甘味があり、辛味とあわさった味でした。

私たちはラムや鴨などの肉料理に合わせました。

店構え|ノートルダム教会のすぐ裏

ディジョン店舗は、ノートルダム教会の側面(フクロウのレリーフがある側)と同じRue de la Chouette沿いにあります。

フクロウを撫でた流れでそのまま立ち寄れる立地でした。

  • 住所:16 rue de la Chouette, 21000 Dijon(ノートルダム教会のフクロウのレリーフと同じ通り)
  • 営業:火〜土 10:00〜19:00(月・日は時間が異なる場合あり)
  • 店内に試食バーあり
  • 2026年7月時点の情報です。営業時間は変わることがあるので、行く前に公式サイトでご確認ください

マイユ(Maille)|1747年創業、ポンプ売りの老舗

ディジョンのマイユ店内、蜂蜜とモデナ産バルサミコ入りマスタードの陳列棚

1747年創業の老舗で、現在はユニリーバ傘下です。

フランス国内のほか、パリ・ロンドン・ニューヨークにも直営店を構えています。

店内には金属ポンプが並んでいて、生のマスタードをその場で量り売りするのが看板スタイルでした。

陶器の容器(ポット)に入れてもらえます。

製法|種子をカットする独自方式

マイユはファロとは対照的に、種子をカット(粉砕)してすり潰す独自製法です。

きめが細かく、なめらかなペースト状に仕上がります。

「ディジョンマスタード」として世界に広く流通しているなめらかな味は、この製法によるものです。

試してみた印象|なめらかでまろやか

マイユでも店頭でテイスティングをさせてもらいました。

ファロの粒感が残る力強い辛さと比べると、口当たりがはっきり違いました。

マイユはなめらかで辛味の角がとれてまろやかでした。

酸味とのバランスがとれていて、ソースに溶かしたりドレッシングに使ったりするのに合いそうだと感じました。

店構え|メインストリート

ディジョンのメインストリートRue de la Liberté(リベルテ通り)沿いの大きな店舗です。

  • 住所:32 rue de la Liberté, 21000 Dijon(旧市街のメインストリート沿い)
  • 営業:火〜土 10:00〜19:00(月・日は時間が異なる場合あり)
  • ポンプから生マスタードの量り売りあり
  • 2026年7月時点の情報です。営業時間は変わることがあるので、行く前に公式サイトでご確認ください

お土産におすすめなのはどっち?目的別の選び方

味の方向性が違うので、目的で選ぶと迷いにくいです。

こんな人に向いていそうな店
力強い辛味と粒感、伝統的な味を求めるファロ
マイルドで、ソースに溶けやすいのが好みマイユ
限定フレーバーやポンプ売りの体験も楽しみたいマイユ
独立系・地元密着の作り手を応援したいファロ
原料の産地にこだわりたいファロ(ブルゴーニュマスタードIGP)
種類豊富な中から、自宅用とお土産を1軒で揃えたいマイユ

私たちは肉料理に合わせる辛めの味が欲しかったので、ファロでカシスマスタードを買いました。

値段の目安とお土産の数

価格は瓶あたり€3〜15程度でした。

職場や友人に配る用なら、小さめの瓶を数を分けて買うと渡しやすいです。

自分用にじっくり使うなら、お気に入りのフレーバーを1本だけ選ぶ、という買い方もできます。

何本か選んでも予算が大きく膨らみにくい範囲だと思います。

どこで買う?ファロとマイユの回り方と所要時間

ディジョンの旧市街は徒歩圏内にまとまっています。

フクロウのレリーフ → ファロ → ノートルダム教会前 → Rue de la Liberté → マイユ の順で回ると、観光と買い物が同時に進みました。

所要時間の目安は、フクロウ30分・ファロ30分・マイユ30分で合計1時間半〜2時間ほどです。

さちこ

ランチの前後に組み込むと回りやすかったです。

1日の回り方はディジョン観光1日モデルコースにまとめています。

マスタードをお土産に持ち帰るときの注意

瓶入りなので、思ったより重さがあります。

何本かまとめて買うと、その分スーツケースが重くなります。

中身は液体に近いペースト状です。

機内持ち込みだと液体物の制限の対象になりうると考えて、預け入れの荷物に入れるのが無難でした。

衣類などで包んで、スーツケースの中央に入れると割れにくいです。

まとめ

石臼挽きのファロは辛味と香りが立ち、種子カット式のマイユはなめらかでまろやかです。

2軒とも旧市街の徒歩圏内なので、決めきれなければ両方に寄って1本ずつ買う選び方もあります。

私たちは帰国後、カシスマスタードを開けるたびにフクロウ通り沿いの店内を思い出しています。

お土産が旅の記憶とつながるのは、私にとってうれしいことでした。

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こんにちは、さちこです。 北海道出身のアラサー主婦。2025年12月より、夫の海外赴任に帯同してオランダで暮らしています。 このブログ「運河のある暮らし」では、オランダを拠点に夫と巡ったヨーロッパ各国の旅行記を中心に、在住者ならではのオランダ観光・暮らしの情報も、実体験をもとにまとめています。 旅の計画や現地での移動・手続きなど、これから旅する方・暮らす方の参考になれば嬉しいです。 どうぞ、よろしくお願いします!

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