こんにちは、さちこです。

「オランダの家って、あまりカーテンをしないらしい」

そんな話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

照明に照らされたダイニング、ソファ、テレビ。
日本人の感覚からすると、「ここまで見えて大丈夫?」と驚く光景です。

プライバシーを重視し、夜はカーテンを閉めるのが当たり前の日本。

それとは対照的なオランダの暮らし方には、国ならではの価値観や歴史が反映されています。

なぜオランダでは、家の中をあえて「見せる」暮らしが根づいたのでしょうか。

オランダの家でカーテンをしない理由

宗教と歴史の影響

オランダの街並み。大きな窓にはカーテンがない家がほとんど。

オランダの「カーテンをしない文化」は、実は歴史や価値観と深く関係しています。

17世紀の宗教改革以降、オランダではプロテスタントの影響が強まり、

  • 正直であること
  • 誠実であること
  • 倹約・質素な暮らし

といった価値観が美徳とされてきました。

その考え方の中で、

家の中を見せる=「うちは何もやましいことをしていません」

という無言のメッセージに繋がったそう。

プライバシーより透明性を重視

オランダでは、「隠すこと」よりも、オープンであることが大切にされます。

  • カーテンを閉めっぱなしだと「何か隠しているのかな?」と思われることもある
  • とはいえ、外から他人の家をじっと覗くのは完全にマナー違反
  • “見えても、見ない”という暗黙のルールがある

「見えることと、見ることは別」という感覚が社会全体で共有されています。

自然光を取り入れる暮らしの工夫

カーテンがない窓

気候も、この文化に大きく関係しています。

オランダは冬が長く、日照時間が短い国。
曇りの日も多く、光はとても貴重です。

そのため、
晴れた日は、できるだけ家中に光を取り込む
という暮らし方が自然に根づいています。

防犯意識はどうなっているの?

開けっぱなしで泥棒に入られないのか、と疑問に思いますよね。

オランダでは、“見せること自体が防犯”と考えられています。

  • 家の中が見える
    →普通の人が住んでいるとわかる
  • 住宅街では、通行人や近所の目が自然な見守りになる
  • 鍵や窓のロックは非常に厳重
  • 夜は間接照明やうっすら灯るリビングの明かりで安心感を保つ

つまり、「見せることで守る」文化になっており、日本の「閉めて守る」発想とは真逆です。

オランダのオープンな暮らしに感じる魅力

オランダの暮らし方で印象的なのは、「隠すこと」を前提にしていないところです。

家の中が見えていても、誰も詮索しない。
見えているからといって、踏み込まない。

その距離感が、ごく自然に保たれています。

オープンであることは、無防備であることとは違います。

必要なルールやマナーが共有されているからこそ、過剰に警戒せず、肩の力を抜いて暮らせる空気が生まれているように感じます。

実際に住んでみて感じたこと

正直、最初はかなり落ち着かなかったです。

夜になると室内の明かりが外から丸見えで、「通りすがりの人に見られているんじゃないか」とソワソワしました。

でも数週間もすると慣れてきて、むしろカーテンを閉めるほうが違和感を覚えるようになりました。

窓の外に運河や街路樹が見えるのは気持ちがいいですし、部屋に自然光がたっぷり入るのはオランダの「冬の暗さ」を少しでも和らげてくれる効果もあるのだと思います。

日本人が驚くオランダの窓辺の風景

オランダの住宅街を歩くと、窓辺にキャンドルや小さなオブジェを飾っている家がたくさんあります。

これは「外から見える」ことを前提にした、一種のディスプレイ文化です。

クリスマスシーズンには窓辺のデコレーションがさらに華やかになり、夜の散歩が楽しくなります。

プライバシーをガッチリ守る日本の文化とは正反対ですが、「開かれた暮らし」がオランダの街の温かさを作っている気がします。

まとめ

オランダの人がカーテンをしない理由は、

  • 「誠実でいたい」という歴史的背景
  • 「透明性を重んじる」価値観
  • 「光を大切にする」気候風土

さらに、防犯面も「見せることで守る」という独自の発想があります。

最初は不思議に見えても、そこには「見せることで生まれる信頼」が息づいているのかもしれません。

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さちこ
こんにちは、さちこです。 北海道出身のアラサー主婦です。 2025年12月より、夫の海外赴任に帯同しオランダで暮らしています。 このブログ「運河のある暮らし」では、オランダでの暮らしや制度・文化、観光情報、ヨーロッパ旅行について、実体験をもとに情報をまとめています。 現地での生活や移動、手続きなど、これから訪れる方や暮らす方の参考になれば嬉しいです。 どうぞ、よろしくお願いします!

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