カペル橋から瀕死のライオン像へ。ルツェルン旧市街を半日歩いて、この街が好きになった

スイス旅の初日、チューリッヒ空港に降り立って、その足で向かったのがルツェルンでした。
正直、最初は「移動の途中で一泊するだけの街」くらいの気持ちでいました。
でも半日歩いてみたら、すっかり心を持っていかれて、次に来るときは、ここで何泊かしたいねと夫と話しながら離れた街です。
この記事では、カペル橋・イエズス会教会・瀕死のライオン像といったルツェルンの見どころを、私たちが実際に歩いた順番でたどっていきます。
ルツェルンへは、チューリッヒ空港から
ルツェルンに着いたのは、6月14日の日曜日。
この日はチューリッヒ空港に到着して、そのままチューリッヒ市街を1時間半ほどぶらぶらしてから、12時頃に列車でルツェルンに入りました。
天気は28〜29度くらい。まあまあ暑い一日でした。
駅を出て、橋の向こうへ。湖の青さに息をのんだ
ルツェルン駅を出て、まず向かったのはホテル。
大きな橋を渡った向こう側だったので、荷物を持ってそちらへ歩き出しました。
その途中で目に入ったのが、ルツェルン湖です。
綺麗な青色で、思わず立ち止まってしまいました。奥には山が連なって、湖のまわりの建物もひとつひとつ素敵で。
「ただの乗り継ぎの街」だと思っていたのに、駅を出た瞬間にこの景色。第一印象から完全に心をつかまれました。

このあと午後はいったん湖のクルーズに出て、戻ってきてから(15時ごろ)、夕方6時すぎまでかけて旧市街をゆっくり歩きました。
カペル橋 — 花と絵に彩られた、木造の屋根付き橋
ルツェルンに着いてから、いったんホテルに荷物を預け、また駅の方へ戻るときに渡ったのが、ルツェルンのシンボルカペル橋です。
橋の側面にはずらりと花が飾られていて、それだけでもう可愛い。隣にはずんぐりとした石の塔(水の塔)も立っていて、セットで絵になる眺めでした。
ただ、有名な橋なだけあって、お昼ごろは混み合っていました。ゆっくり写真を撮りたいなら、時間帯は少し選んだほうがいいかもしれません。
屋根の梁に並ぶ三角形の絵は、17世紀ごろに描かれたもの。テーマはルツェルンやスイスの歴史と、街の守護聖人(聖レオデガーと聖マウリティウス)の物語です。
面白いのは描かれ方で、当時は街の有力な家がお金を出して1枚ずつ描かせ、お礼に絵の下のすみへその家の名前と紋章を入れてもらいました。いわば「スポンサー入りの歴史画」なんです。
ちなみにカペル橋は約650年前の木造の屋根付き橋で、もとは町を守る城壁の一部。1993年の火災で多くの絵が焼けましたが、わずか8か月ほどで再建されました。
「木でできた屋根付きの橋」というのは日本ではあまり見ない造りで、それだけでも渡る価値があると思いました。


イエズス会教会 — 白くて可憐な、橋のすぐそばの教会
カペル橋からすぐのところにあるのが、イエズス会教会。
外観が白くて、とても可憐な雰囲気の教会です。
中にも入ってみたのですが、ちょうど日曜のミサが始まってしばらく経った時間帯で、奥のほうまで歩いて見て回ることはできませんでした。
それでも、見上げた天井の優美さは強く印象に残っています。


カペル橋からふらっと立ち寄れる距離なので、ぜひ覗いてみてほしい場所です。
ただし日曜はミサの時間があるので、ゆっくり見学したいなら時間帯に少し気をつけてみてください。
シュプロイアー橋は、遠目にのんびり
ロイス川には、カペル橋のほかにもいくつか橋が架かっています。
その奥のほうにあるのが、もうひとつの屋根付き橋シュプロイアー橋。
同じ屋根付き橋でも、絵のテーマは大きく違います。カペル橋が「街の歴史や守護聖人」なら、シュプロイアー橋に描かれているのは「死の舞踏(ダンス・オブ・デス)」。骸骨すがたの死神が、身分を問わずあらゆる人を連れ去っていく、という、ちょっとドキッとするテーマなんです。
カペル橋に比べると人が少なそうで、のんびり橋を眺めたいならこちら側のほうが落ち着くかもしれません。
私たちは、シュプロイアー橋のひとつ手前の橋を渡って、旧市街へと入っていきました。
旧市街さんぽ — 壁画と、飲める水と、ジェラート
旧市街は、街全体がとにかく可愛らしい雰囲気でした。
赤い時計のある塔や、壁いっぱいに描かれた絵。


ロイス川沿いには、カフェテラスがずらりと並んでいました。
オレンジ色のお酒、アペロールスプリッツを片手にくつろぐ人がたくさんいて、とても優雅な雰囲気。

そして、スイスの街かどでうれしかったのが、飲める水。
旧市街のあちこちに水飲み場(水道の出る噴水)があって、ここの水がそのまま飲めるんです。
持っていたペットボトルに汲み直しながら歩いたのですが、これがとても美味しくて。暑い日でも、1日1本のペットボトルがあれば十分まわせました。

途中、暑さに耐えきれずジェラート屋さん「Cuckoo Ice Cream」にも寄りました。
暑い日のジェラートはやっぱり最高でした。
ジェラート自体は、ジュネーブやラヴォーエリアで食べたものの方が好みでした。

ムーゼック城壁 — 思いのほか、よかった
旧市街を抜けて足をのばしたのが、街を見下ろす城壁。
正直そこまで期待していなかったのですが、これが思いのほか良くて、古い石の城壁と塔が残っていて、ルツェルンという街の歴史を肌で感じられる場所でした。
そして、塔のあたりから見えた眺めがすばらしくて。湖の向こうに連なる山々が一望できて、ここでもまた足を止めてしまいました。


※城壁そのものの歴史や登り方は、別記事で詳しくまとめます。
瀕死のライオン像 — 想像の5倍、大きくて、もの悲しい
次に向かったのが、ルツェルンでぜひ見たかった瀕死のライオン像。入場無料で、屋外から見られます。
実物を前にして、まず驚いたのがその大きさ。想像していた5倍くらい大きく感じました。
岩壁にじかに彫られた、横たわるライオン。その顔にはどこか悲壮感がただよっていて、見ているこちらまで胸が締めつけられるようでした。
この像が弔っているのは、1792年、フランス革命のさなかに宮殿を守って命を落としたスイスの傭兵たち。
デザインを手がけたのはデンマークの彫刻家トルヴァルセンで、1821年に完成しました。生き残った一人の士官が、亡くした仲間たちを長く悼み続けた末に作らせた記念碑だそうです。
そう知って眺めると、ライオンの表情の意味が伝わってきて、悲しい気持ちになりました。

「このスポットはどうしてできたんだろう」と調べながら歩くと、ただ綺麗なだけじゃない、歴史のある街なんだなあと実感できて、ルツェルンが好きになりました。
聖レオデガー教会(ホーフ教会)で、さんぽの締めくくり
ライオン像から湖の方へ向かって歩いていくと、たどり着くのが聖レオデガー教会(ホーフ教会)。
ふたつの塔が印象的な、大きくて立派な教会です。
このときはミサの時間を避けて行ったので、中にも入ることができました。
イエズス会教会よりもずっと大きいのですが、可憐さでいえばイエズス会教会、荘厳さでいえばこちら、という感じ。どちらも素敵で、見比べるのも楽しかったです。


半日歩いて、ルツェルンが好きになった
翌朝、橋を渡った先、駅の右奥のほうに、険しい山並みがくっきり見えました。
ルツェルンの背後にそびえる、ピラトゥス山です。
朝日に照らされて頂がほんのりピンクに染まっていて、それはそれは綺麗でした。

湖の青、木造の橋、可愛らしい旧市街、そして街じゅうにしみ込んだ歴史。
あくまで個人的な感想ですが、街の雰囲気は、私はチューリッヒよりもルツェルンのほうが好きでした。
今回は一泊だけで、翌朝早くにはインタラーケンへ向かう旅程。
でもルツェルンは、近くに山の拠点もたくさんある、もっとゆっくりできる街です。次に来るときは、ここで何泊かしたい、そう思える、大好きな街になりました。

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