なぜオランダには公園が多いのか?~家探し中に調べたら深みにハマった話~
こんにちは、さちこです。
オランダの街をGoogleマップで眺めていると、なんか公園が多いことに気がつきます。
住宅街の角を曲がれば芝生広場、運河沿いはサイクリングロードと木陰。
住宅の真ん中にも小さな遊具スペース。
なんかもう、緑に囲まれて生きてるっぽい。
気になったので調べてみると、オランダの都市計画や文化、法律の背景が関係していて、理由がなかなか面白かったんです。今日はそれをまとめておきます。
オランダの都市計画、そもそも環境優先すぎる
オランダの主要都市では、
都市部の緑地率はおおむね20〜40%前後とされています
(※都市の定義や「緑」の範囲によって幅あり)。
これは世界的に見ても、
決してトップクラスではないものの、かなり高い水準です。
この背景には、オランダの歴史的事情があります。
国土の大部分が海面より低く、水害リスクが高い。
だから昔から堤防・運河の整備が死活問題だったんですね。
でも彼らは防災施設をコンクリで固めるだけじゃなく、その周りを緑地にして市民の憩いの場にしてしまった。
洪水の緩衝地帯でピクニック。
特に有名なのが「ルーム・フォー・ザ・リバー計画」。
「洪水が来そう?じゃあ川の幅を広げて、周りを緑地にしちゃえ」
という政策です。
結果、防災と環境保全と住民のQOLを同時に上げてしまうという三刀流。
なんと合理的。
さらに、2024年から施行された「環境・空間法(Omgevingswet)」では、都市計画と環境保護を一元管理する体制が整備されました。
緑を減らす開発をしようとすると、「それで本当に住環境の質は下がらないの?」を徹底的に問われます。
生活の質を底上げする「緑の配置」
オランダの公園は、単なる子どもの遊び場ではありません。
子どもから高齢者までが使う、生活インフラ。
健康志向強めのオランダ人は、緑の中を自転車で爆走しながらも、芝生で昼寝します。
アムステルダムの公園には、安全性の高い遊具や、バリアフリーの散歩道が当たり前のようにあります。
また、オランダやEUの都市研究では、公共の緑地は「徒歩圏内にあること」が重要だとされ、300〜500m程度を一つの目安として分析されることが多いです。
そのためオランダの都市では、「広大な公園が一つある」よりも、小さな緑が生活圏に分散して配置されているのが特徴。
結果として、日常的に「ちょっと一息つける緑」に触れる生活が成立しています。
日本と比べると…
緑比率の違い
日本の都市部の緑地率は10〜15%程度。
「うちの近所、公園まで徒歩10分」なんてのも珍しくありません。
公園の利用の仕方
しかも日本の公園は子ども向けがメインで、大人がのんびり読書したり昼寝する文化はあまり根付いていません。
自転車道も公園と連動しているケースは少なく、「緑+移動+健康」をワンセットにしているオランダとは発想が真逆。
制度のあり方
制度面でも大きな差があります。
オランダのOmgevingswetは、都市計画・環境保護・インフラ整備を一元的に管理する仕組み。
日本は都市計画法、環境基本法、建築基準法、道路法…と分野ごとの縦割りで、「街全体として環境をどう守るか」をまとめて考える枠組みはほぼありません。
緑化の目的
日本にも「緑被率」を定めて敷地を緑化する条例はあります。
東京都心では屋上や壁面に植物を植える“壁面緑化”もよく見かけます。
でもあれは公共利用できるスペースというより、所有者の敷地内での飾りや環境負荷軽減が目的。
オランダの「誰でも使える公共空間を増やす」という発想とは方向性が異なります。
まとめ:オランダの公園は、政策と文化の合作
- 防災と環境保全を両立させた都市計画
- 健康志向とコミュニティ形成を支える生活インフラ
- 緑地を守る法律の整備
この3つが揃った結果、オランダは「公園が多い国」となりました。
Googleマップで上空から眺めても、その緑の密度に驚かされます。
オランダを訪れる際は、ぜひ街中に点在する公園にも注目してください。
行きたい公園(引っ越したら)
- フォンデル公園(アムステルダム)
都会ど真ん中にある巨大な緑地。カフェもある。 - ユトレヒト植物園
都市の中の自然博物館みたいな存在。 - ルーム・フォー・ザ・リバー緑地帯
洪水対策がもはや観光スポットになった場所。防災とピクニックの融合を体験したい。
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「さちこの無職日記」を読んでくださってありがとうございます。
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