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島根・奥出雲「蔵宿うずまき」宿泊記|一日一組限定の古民家宿で過ごす特別な夜

こんにちは、さちこです。
先日泊まった岐阜の「奥飛騨温泉 かつら木の郷」があまりに素敵で、またすぐに「次はどこに行こう?」と宿探し欲が爆発した私たち。(かつら木の郷レポはこちら
夫の駐在前にもう一度ゆったり過ごしたい!と思い立ち、お盆休みに島根・奥出雲町の「蔵宿 うずまき」さんにお邪魔してきました。

築90年の土蔵をリノベーションした一日一組限定のお宿。棚田の上にひっそりと佇むその姿を目にした瞬間から、もうワクワクが止まらなくなりました。

蔵宿うずまきってどんな宿?

コンビニもスーパーもない山あいにぽつんと建つ古民家宿。車で向かう道中も田園風景が広がり、旅気分をぐんぐん盛り上げてくれます。

道中広がる棚田


客室は蔵を改装した二階建ての一棟貸切。完全プライベートな空間なので、カップルや家族旅はもちろん、友人同士での滞在にもぴったりです。

宿を営むお二人は沖縄から移住してきたそうで、シェフは東京のイタリアンレストランで腕を磨いてきた方。「命の循環」を意味する「うずまき」という宿名には、お二人の思いが込められていました。

チェックインと館内の様子

Googleマップを頼りに進むと、坂の上にひっそりと佇む古民家が。

入り口

最初は「本当にここで合ってるのかな?」と少しドキドキしましたが、見つけた瞬間、テンションが一気に上がりました。

チェックインは16時。オーナー二人が笑顔で迎えてくれて、宿を案内してくれます。
ウェルカムドリンクは自家製の梅酵素ドリンク。炭酸のシュワッと感と優しい甘さが、長旅の疲れをすっと溶かしてくれました。

お部屋と敷地

お部屋は二階建てでとても広々。この蔵を始めとする敷地内の建物は、奥出雲で生まれ育った、大工としてハワイに渡られた元家主が、帰国後に建てたものだそうです。元々の蔵の造りを活かしたリノベーションで、どこか懐かしいのに新鮮。自然の音がBGMになって、気持ちが落ち着いていくのを感じました。

敷地内には母屋・蔵・離れがあり、お風呂や夕食は母屋で、朝食は離れでいただきます。宿の周りにはしそやよもぎなどの山菜が茂っており、これを使った夕食が本当に美味しかった。

お風呂

お風呂はなんと五右衛門風呂。薪を自分で焚べて湯を沸かす体験もできました。

炎の音や薪の香りを感じながら準備したお湯に浸かるひとときは格別。普段の入浴とはまったく違う、特別な時間になりました。

アメニティにはNEMOHAMOやForganicsといったオーガニックブランドが揃っていて、香りや使い心地も良く、家でも使ってみたくなるほど気に入りました。

夕食と焚き火の夜

夕食は母屋でいただきました。畑や山から採れた無農薬野菜に加え、鹿や猪といったジビエを使ったフルコース。繊細さと大胆さを併せ持つイタリアンベースの創作料理は、どの皿も「次は何が来るんだろう?」とワクワクさせてくれます。運ばれてきた瞬間に目を奪われ、ひと口食べるたびに「えっ、この組み合わせがこんな風になるの!?」と驚きの連続。食べ進めること自体が楽しい時間でした。

この日の夕食のコース。食材の組み合わせからどんな料理が出てくるのか想像する時間も楽しかったです
広々とした夕食会場
地元のクラフトビールをいただきました。
食前酒の甘酒。甘酒なのに甘酸っぱい!梅や杉の芽、青トマトのピクルスが入っていて、爽やかさに驚きました。
白イカ、水茄子、パクチー。かかっているのは自家製のイカ醤油。魚醤のような深みのある味わいで、パクチーも驚くほど上品でした。パクチーの実初めて食べた。
白茄子のお浸しと玄麦のサラダ。水切りヨーグルトとバジルソースを添えて。白茄子とソースの相性が想像以上で、感動の一皿でした。
無農薬小麦の自家製パン。となりのペーストはとうもろこしベース。毎日食べたくなるほど優しい甘みでした。
猪のスネ肉とよもぎオイルのパスタ。パルミジャーノとカボッキーニ(かぼちゃ×ズッキーニ)を合わせた一品。スネ肉はホロホロ柔らかく、臭みゼロ。野菜の風味もおもしろかったです。
イシダイと夏野菜。皮はパリッと、身はふっくら。赤パプリカや枝豆、つるむらさきが彩りを添え、素材の持ち味が存分に引き立っていました。
鹿フィレのカツ。衣の香ばしさと、子鹿のヒレ肉ならではのやわらかさが絶妙。付け合わせの赤玉ねぎは酸味とバターの風味がきいていて、ヒレカツをさっぱりと食べ進められました。
井上古式醤油と天然蜂蜜のアイス。醤油の風味がしっかりありながら全くくどさがなく、旨みが際立つ味わい。中に求肥が入っていて、まるでみたらし団子のよう。合わせて出てきたほうじ茶とのペアリングが最高でした。

ジビエはお二人が自ら処理されているそうで、ただ調理するだけでなく、食材そのものを育て、整えるところから関わっているのだと伝わってきます。宿名「うずまき」に込められた“命の循環”が、料理を通じて体現されているようでした。鹿も猪も全く臭みがなく、旨みだけをぎゅっと凝縮したような美味しさで、今でもまたすぐ食べたい笑

驚いたのは、生ゴミすら肥料にして再利用していること。野菜を一から育てる大変さを知ると、スーパーで気軽に買っている野菜も、実はとてつもない手間暇の結晶なんだと実感します。私自身も、もっと大切にいただこうという気持ちになりました。

夕食後には外で焚き火も楽しみました。雨上がりだったこともあり、地面を飛び跳ねる小さなカエルがあちこちに。火の揺らめきを眺めながら、虫の声とカエルの鳴き声に包まれる時間は、まさに夏の夜の贅沢そのものでした。

昼間に撮った焚き火スポット。焚き火の写真を撮り忘れた…!

朝と朝食

翌朝は、宿のアイドル・烏骨鶏の声で目覚めました。

しかも2羽いて、宿の周りをのんびり歩いているんです。その姿がなんとも可愛らしくて、見ているだけで幸せな気分になれました。

朝食は、かまど炊きのご飯と味噌汁、地元野菜を使ったおかずの数々。

味噌や納豆、漬物まで全て手作りで、ひと口ごとに優しい味わいが広がります。

自分でかまど炊きを体験することもできます。

炊きたてご飯の美味しさに思わずおかわり。しかもそのお米はお隣の農家さんが丹精込めて育てたものだと聞き、ますますありがたみを感じました。

食事をしながら窓の外に広がるのは、一面の棚田。

その美しさに思わず息をのみました。実はこの棚田、かつて“たたら製鉄”で栄えた土地の跡地を利用して作られたものなのだそう。自然と人の営み、そして歴史までもが循環していることを実感しながらいただく朝ごはんは、格別でした。

宿泊を終えて

「蔵宿うずまき」は、日常を忘れて心と体をリセットできる場所でした。
お二人の丁寧なおもてなしと心のこもった料理が心に染み渡ります。
滞在中ずっとワクワクが途切れず、帰る頃には「また絶対来たい」と心から思いました。

基本情報

  • 住所:島根県仁多郡奥出雲町鴨倉643
  • チェックイン:16:00〜19:00
  • チェックアウト:〜11:00
  • 駐車場:あり(無料)
  • 公式サイト:公式HPはこちら

まとめ

日本の原風景、古民家の趣、そして地元の恵みを活かした料理や焚き火の時間まで。ここでしか味わえない体験がぎゅっと詰まった「蔵宿うずまき」。
喧騒から離れて、自分らしい時間を過ごしたい方に心からおすすめできる宿です。

ABOUT ME
さちこ
こんにちは、さちこです。 関西在住のアラサー主婦です。 2025年の終わり頃から、夫の仕事の都合でオランダへ移住予定。現在はその準備を進めながら、日々のことや暮らし、働き方について、マイペースに書いているブログ「さちこの無職日記」を運営しています。 以前は公務員として働いていましたが、 文章を書くことに興味を持ち、今はブログを通して、発信する楽しさを学んでいるところです。 このブログでは、 - 海外移住に向けた準備のこと - これからの仕事のこと - 暮らしや30代を見据えたライフプラン などを、等身大の言葉でつづっています。 同じように、海外移住や働き方に悩んでいる方、ライフステージの変化に向き合っている方に、少しでも役立つ情報や共感が届けられたら嬉しいです。 どうぞ、よろしくお願いします!

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